『シカマル、最近テマリとはどうなの?』
「ンだよ急に、どうもこうも変わりねぇよ」
たまたまお互いが休みで、たまたまブラブラしていた所で出く出会した為、一緒に甘栗甘にてあんみつを食べている。
食べているのは私だけだけど……。
『そうなんだ? まあ、それはそれで良い事かもね』
聞いといて何だよ。と、悪態を付くシカマルに笑って誤魔化す。
喧嘩したとか、めんどくさくなったとか、聞きたい訳じゃないけど、何かあったか聞いてものろける事もないと、分かってるから聞いて見た。
シカマルのサバサバしてる所も好きだなぁ。
「お前こそ、最近どうなんだよ」
思わぬ質問を食らってしまった。
気にしてもらえた事が少し、嬉しかったのは内緒。
『私ー? 私も変わり無し! 一人身のまんまだよ』
自分で言ってて落ち込みたくなる。
周りはみんなくっつき始めてて、あのサイやドベだったナルトでさえ相手が居るからびっくり。
「お前モテんのに、選びすぎなんじゃねえの? 女ってめんどくせぇ」
『……そうかもね』
彼の口癖だと分かっていても、めんどくさいなんて言われたら落ち込む。
更に、恋愛に疎めの彼に心配されるだなんて、何なんだ私。
そんなにシカマルの中の私は女としての存在感が無いんだろう。
「理想とかあんのかよ?」
そうだねぇ、シカマルかな?
何て言えたらどんなに楽なのかな。
どんな顔されるかな?
言う勇気なんて私にはないけどさ。
『うーん、いざとなると、格好よくなる人……とか?』
好きな人って言葉に現すのって難しい。
「……カカシさんの事か?」
『え? ……あ一、確かに当てはまるかもしれないけど、違うかも?』
なんだそれ、めんどくせぇ。
そう言われたけど、違うものは違うんだから仕方ない。
『でも、カカシ先生って最近色恋の噂聞かないよね。格好も良いしカカシ先生にアタックするのもありかも?』
心にもない事を口にしてみる。
カカシ先生には悪いけど。
シカマルがこんな私の戯言で、女として少しでも興味を持ってくれたらなんて、馬鹿な事だって分かってるのに。
「良いんじゃねぇの? 悪い人じゃねぇしな」
やっぱり、期待していた「あの人は止めとけ」なんていう言葉なんかくれなかった。
寧ろ、お勧めされてしまうなんて……。
『うん……。応援、してよね! シカマルより幸せになってやるからっ!!』
私の精一杯の虚勢。
でも今は許して欲しい。
貴方と一緒に居れるこの空間を無くしたくないから。
「おう、めんどくせぇが応援してやるよ」
私の想いがなくなるまで、近くに居させて。
私は貴方が好きでした
(告白なんてせずに、忍びとして、友達として、側に居させて)