好きなものは好き、でいいと思う
  • 表紙
  • しおり

  • 『ほむらちゃん、私、ほむらちゃんが好きだよ?』

    「貴女はまたそんな戯言を……。意味を分かって言っているの?」

    冷たく私をあしらうのは、明美ほむらちゃん。

    同級生であり、同じ魔法少女だ。

    『分かってるから言ってるんだよ? 私はまどかみたいにほむらちゃんを置いて行ったりしない。私はずっと、側にいるから』

    「うるさいっ! 私にはまどかしか居ないの! 貴女なんか要らないわっ!!」

    彼女の言葉にずきりと心が痛む。
    私は彼女の信じるまどかの事を酷く言っているかもしれない。

    その事で彼女を傷つけているかもしれない。

    でも、私はそれでもほむらちゃんと居たい。

    『まどかは、みんなの為に自分を犠牲にしてる……。でも私は! ほむらちゃんの為に自分を犠牲にできる! それが、どんな結果になっても、まどかの代わりになってでもっ、ほむらちゃんの為になれるなら! っ……』

    「バカなこと言わないでっ! まどかの代わりなんて居ない。代わりなんて要らないっ!!」

    頬を叩かれたと気付いたのは、ほむらちゃんが言い終わる頃で。

    頬に感じた熱が、ほむらちゃんの矛盾の気持ちを現すかのように、ジンジンと傷んだ。

    「貴女だって矛盾してる……。まどかの代わりに貴女が犠牲になれば、どうやって私の側に居ると言うのよ!」

    『……ほむらちゃん』

    感情的になった自分の言葉を思い出す。

    『ごめん、ごめんねほむらちゃん』

    それでも私は……。

    『ほむらちゃんが好きなの』


    好きなものは好き、でいいと思う

    (ほむらちゃんはまどかが好き、私はほむらちゃんが好き、なら私はほむらちゃんの好きを上回る程好きと言う)


    お題お借りしました
    魔女さん

    ALICE+