04 気づかない訳ないでしょう〈2〉
知世ちゃん達を見送り、さくらちゃん家までの道のりを真の姿になったケロちゃんの背中に乗せてもらっていた。
「……あの、」
「なんや?」
「さくらちゃんがこんな風に眠っちゃうのは、魔力が足りないからなんですよね」
少し前にケロちゃんはわたしにさくらちゃんが眠ってしまう理由を話してくれた。
クロウさんの力が込められているクロウカードを使うときは、そのクロウさんの力を借りている為に使いこなすことが出来た。けれどさくらカードはさくらちゃんがクロウカードをもとに自分自身の力で創り、使っている為に物凄く力が必要になる。
「これ……さくらちゃんにあげることはできないんでしょうか」
わたしはいつも持ち歩いているクロウさんが創ったという太陽の模様が描かれた鏡を取り出した。
「それはできん」
「どうして?」
これはクロウさんが創って、そして力が込められているもの。だからこれをさくらちゃんに渡せば何か役に立つかもしれない、そう思ったのだ。
「これは嬢ちゃんの為にクロウが創ったもんや。さくらのもっとる魔力とは波動が違う」
「渡しても、助けにはならないってことですか?」
「せや」
ならばこのまま、さくらちゃんは力を使う度に眠ってしまうのだろうか。
「でもこのままじゃ、」
「真の姿を維持できんなる。……特に
「!」
「わいのシンボルは『太陽』。自分で光れるさかい、魔力が足らんなったらもの食べたりして自力で補給できる」
それはさくらちゃんは新しいさくらカードを使うので精一杯だから、ケロちゃんは自分で魔力を補給しているということ。
ならば『月』は?
「『月』は光を返して光るもんや、だれかの魔力を源とするしかない」
つまりさくらちゃんの魔力が足りなければ
「最後の審判のときに巫女のねーちゃんが持っとった鈴……覚えとるか?」
「はい」
「クロウはさくらの力だけじゃ
「…さくらちゃんの助けになるように…?」
そのことをさくらちゃんは知っているのだろうか、そう考えているとケロちゃんはわたしの考えていることなんて全てわかっているみたいで。
「さくら自身、まだ
それにまだ言うつもりはないらしい。
さくらちゃんはさくらカードを使うことで精一杯だし、余計な心配をかけたくない、そうケロちゃんは説明してくれた。
「もちろん
「わかっとる、けど雪兎は」
そんな、このままじゃ、月城君は消えてしまうということなんだろうか。
わたしの持っているこの鏡で出来ることは何かないのか、ケロちゃんに聞いてみても「それは嬢ちゃんのもんや」と言って考え込むように黙ってしまう。
「……
「?」
「心配せんでええ!まなみはまなみ自身のこと考えてくれとったらええんや。今回もその鏡のおかげでクロウの気配に気づいて、こうやってさくらを助けてくれとる」
それだけで充分と笑いながらケロちゃんはわたしのことを励ますようにそう言ってくれた。
確かに以前よりも所謂魔力というものが強くなった気がする。それはこの鏡のおかげだった。
「さくらのこと心配して見守ってくれとる人がおる、それだけでも安心や」
せやから元気だし、とケロちゃんは言う。
そうだ、前にケロちゃんが言っていた。この鏡をクロウさんが創ってわたしに託してくれたからには、きっと意味があると。