11 疑問、そして再会、〈2〉
「いらっしゃい、まなみ」
「お邪魔します」
園美さんのお家は思っていたよりも小さな豪邸だった。思っていたよりも小さい、といってもじゅうぶん大きな豪邸なんだけど。
何ていっても社長だからもっともっと大きくて豪勢なのを想像していた。
自慢ではないけれど、わたしの住んでいた実家も、親が有名な菓子会社の社長だからそれなりに大きかった。
「ちょっとここで待っててくれる?」
そう言われたわたしは、大きな扉の前でまっていた。
すると扉のとなりにあったこれまた大きな鏡ごしに女の子の姿が目にはいった。
「おかえりなさい。お母様」
「ただいま、知世」
「………知世ちゃん?」
見覚えのある姿に思わずあげてしまったわたしの声に反応した園美さんはくるっとこちらをふりかえった。
そしてその女の子はさくらちゃんのお友達の知世ちゃんに間違いなかったようで、目があうとにこりと微笑んで軽く会釈をしてくれた。
「あら、知り合いだったの」
園美さんから話しを聞けば娘だと言ったので驚いた。
「母とお知り合いだったなんて、知りませんでしたわ」
「わたしも、まさか知世ちゃんが園美さんの娘だったなんて」
少しだけ話しをして、知世ちゃんは自分の部屋に戻っていった。
「まなみったら、さくらちゃんと顔見知りだったのね」
「はい、家が近所なので」
園美さんが「わたしさくらちゃんに会ったことないの。うらやましいわっ」といいながら大きな扉を開けると、そこにはテーブルに夕飯の準備がされていた。
椅子に座って食事が運ばれてくると、わたしはさっそく聞きたいことを聞くことにした。
「園美さん、実は聞きたいことがあるんです」
「あら、何かしら?」
「むかし園美さんにみせてもらった、ある女の人の写真があると思うんですけど」
「女の人の写真?」
違っていたら嫌なので、「撫子さん」という名前はあえてださなかった。
「髪が長くてふわふわで、すごく可愛い人なんですけど……」
「撫子、じゃないかしら」
「でも、どうして撫子のことを?」
「つい最近ふっと写真のこと思いだして、それで誰だったかなって思って」
「確かに何度かあなたにみせたことがあったわね、撫子の写真」
園美さんは優しく微笑んで、何か思いだしているみたいだった。
「あの、どういうご関係だったんです」
「いとこだったのよ」
「だったのよ」と過去形にした言い方に、たぶんもうこの世にはいない人、つまり「撫子さん」本人なんだと思った。
「いとこ、ですか」
その一言だけで、桃矢君達のお母さん「撫子さん」と、わたしがむかしみた写真のなかの人物「撫子さん」は同一人物だという確信がもてた。
「……まなみ?どうかした?」
「い、いえ、っこのスープ美味しいですね」
疑問、そして再会、
(なんだか最近調べごとばっかりだわ)