14 まだ、まだ、まだ、〈3〉




 李小狼君とさくらちゃんが去っていってすぐ、わたしは手提げから綺麗にラッピングされたプレゼントをとりだした。

「月城君、わたしからもこれ」
「……ぼくに?」

 月城君は、自分はもらえるなんて思ってなかったというように目を見開いた。

「まさかまなみからもらえるなんて思ってなかったよ」
「実はね、桃矢君といっしょに選んだの」
「とーやといっしょに?」
「う、うん」

 月城君はちょっと意味ありげに微笑んで桃矢君をみつめた。

「へぇ、二人で」
「何だよ」
「ううん、何でもないよ?」

 微笑みながらこちらを見る月城君に、なんだかよくわからないけど恥ずかしくなってきた。
 おもえばクリスマス前の日曜日にふたりきりでお買い物なんて、はたからみたらデートみたいだったかもしれない。
 わたしのわがままにつき合ってくれたっていうだけの桃矢君には申し訳ないことをしてしまったかも、とお買い物に誘ったことを少し後悔した。

 でもおかげでこのプレゼントを選べたんだし、それはそれでよかったことにしておこう。

「わあっ!マフラーだ!」
「柄とか、嫌じゃない?」
「全然!すっごくうれしいよ」
「よかった、」

 月城君は袋から取り出したマフラーを実際に首にまいてくれた。
 わたしがいうのもなんだけど、すごく似合ってると思った。

「ありがとう!」

 わたしは桃矢君とお互いに顔をみあわせた。
 普段からあんまり素直じゃない桃矢君も、いまは素直に微笑んでいるようにみえたから、すごくうれしくなった。
 前よりも桃矢君と仲よくなれた気がして。

「二人とも、」
「?」
「何かあった?」

 どうやらそんなわたしの気持ちが月城君に伝わってたみたい。

 本当に前より仲よくなったのかはわからないけど、そうみえたのなら少しは仲よくなれたんだと思う。
 それからわたしは、おもわず顔がゆるんでいるのに気づかなかった。




まだ、まだ、まだ、
(なんにもなかったよ?)
(ホントに?何か隠してる……!)
(なんも隠してなんかねーよ)
(絶対うそだー)