alrescha


時系列ばらばら。夢主は握野さんの高校時代の同級生。理由あってPになったまだまだ駆け出しプロデューサー(旗)。

↑old ↓new
マシだったのか
溜息になり損なった深い吐息
甘いもの

「あれっ? 握野くんそろそろ入らなきゃダメじゃない?」
「ああそうなんだが。……あんたの顔が見たくてな」
「もー、ほら、笑顔笑顔! 私の顔見なくても笑えるようになりましょう!」
「これで笑えてるか?」
「うん、大丈夫! 今日も頑張って元気を届けてね」
 あんたの顔を見て笑顔になれるのは、安心するからだって知ったら、あんたはどう思うのかな。そんなこと言えもしないのだけれど。

「握野くん? おーい」
「……ん、なんだ?」
 ボーッとしてた、と笑う姿に元気がなくて眉間にシワがよるのを自覚する。こういうときは甘くて美味しいものに限る!
「パンケーキ食べに行こう! 美味しそうなところを見つけたんだよ」
 キラリと輝く瞳に成功を予期した。

「……おい」
 事務所のソファで、書類を抱えたままのんきな顔で寝ているのをついうっかり見つけてしまった。起こそうと声をかけても起きない。どれだけ疲れているんだ。
 しょうがない、とため息を吐いて書類を抜き毛布をかける。でも危ねぇぞ、こんなところで寝るなんて。

「あ、お弁当のにおいがする」 「あんた食い物のにおいに敏感だよな」 「そっそんなことないですよ……?」 「そんなことありそうな顔して視線そらすな!」 「もー握野くん笑わないでよ!」