言の葉の花の盛りは瞬く間洋墨の一滴乾くも遅し
導べなき世をば夜な夜な歩みゆく違えた道のぬくみに眩み
朽ちたるを悲し侘しと言いし者悼んだ先の骸すら見ぬ
外連味を含んだ虚勢無理解の他に理由もないのだろうに
鶴を折り針刺し数え千回目神亡き世々へ妄執織りて
なめらかに産毛のそよぐ肌合いに数えたことも夏は溶かすの
夏に見る蝉のぬけがら蝶のはね空のひかりがひとすじに消ゆ
手紙書く替える衣も失せたころ衣装箪笥の投函口へ
―二〇二〇年六月三十日
導べなき世をば夜な夜な歩みゆく違えた道のぬくみに眩み
朽ちたるを悲し侘しと言いし者悼んだ先の骸すら見ぬ
外連味を含んだ虚勢無理解の他に理由もないのだろうに
鶴を折り針刺し数え千回目神亡き世々へ妄執織りて
なめらかに産毛のそよぐ肌合いに数えたことも夏は溶かすの
夏に見る蝉のぬけがら蝶のはね空のひかりがひとすじに消ゆ
手紙書く替える衣も失せたころ衣装箪笥の投函口へ
―二〇二〇年六月三十日