つめたさに影法師より親しんだ死という名持つ我のともだち
守唄とせせらぐ隨微睡んで澄んだからに閉じるしあわせ
好きでしたあなたがこころ編み上げるその指先が誰よりきっと
寝子寝子と口遊むとも鈴ならず看取らぬためにつけた名でない
街灯も届かぬ暮れに指かけたきみの鬼面を影へと放る
202004ログ-5
そのせなか見失うなら目を抉る覚えていてよ、私の視線
さみしいの言葉教える指でした きみがいなくば知れぬ喪失
笑うともお望みならば滑稽にふりとも見せずキスでもしよう
はばたいて目蓋にとまるあなたの掌 あいを戴く我が墓標
てのひらで朝日遠ざけ夜ぬぐい君に目隠し世界をあげる
202004ログ-4
覚悟なきやいばを翳し凡衆が英雄気取る血路の凱旋
朽ち褪せた春告げし首踏み躙る目映き雪花と共に睡れ
道行きの風間打ち上がる殻々は朝日滲ます透明のこえ
きみがため聞き飽いているおのがため本心言えぬ陋劣わらう
どこゆこう選び取る足抱き縋り爪先くちづけどこへもゆくな
202004ログ-3
戦慄きしきみの背中を許せぬとまなじり撫ぜてしろい喉縊る
「欺こう人のふりして」君はいう戯けた手もう掴む術消え
排煙はキリトリセンと立ち昇る千切れぬ隔て我と彼岸の
僕たちのくるしみがただ僕らだけの物だった日箱埋葬せん
さようなら消灯せし世足先は目蓋潜んだ星屑浸る
202004ログ-2