噴き上げて生まれ這い出す衝動よ血潮の如きあいの奔流
あの人をころす残虐、虚栄とは自死他ならぬたのしき塗り絵
「ひどいひと」表さるるに親しみて産声上げし我が名は諧謔
永遠を欲して伸ばす指でした汚泥へ咲かせた骨のパラソル
手遊びの帰路は透かした文字辿り遊び紙閉ざすレースカーテン
202004ログ-1
彼方失せ二度と戻らぬ鮮やかさはらわたの方が余程あかい
冷えてゆく事実の死体弄び飾った挙げ句、呼ぶの?真実と
夢にみるおれとおまえで物語もうおしまいにしてしまうこと
チープにも爛れた奇跡撒き散らし手垢まみれで嘘と忘れた
202003ログ-7
揺すられて微睡むひとみ車窓越し反射していたひかるみたいに
鱗粉と雨垂れ連ね瞬いたあかつき掬う蜘蛛の糸
夕間暮れ子らの影伸び織り上がる宵の帷とともにおやすみ
草臥れた名もなき花に絆創膏きみの祈りが届くといいけど
在りし日に失くしたプリズムありました液晶のヒビの奥底に
202003ログ-6
吸い込んだ味わいが似てる校庭の日の差さぬとこ春の湿り気
ひとさかり躯に巣食いまた廻る終ぞひととせ我をころさず
物語騙るくちなしされこうべ懐きてねむる静けき春に
おぞましき我が舌先の苟且よ たかが真実きみに詠えぬ
在りし日が埋まると信じ虹のもとブリキを持ちて爪痕残す
202003ログ-5