無垢という期待を乗せた目蓋をも裏返そうか夏を探しに
鮮やかな手付きで握る懐かしきナイフのあつさ愛に非ずも
目に見えぬ微細なものは透かし見て傷が光って漸く気づく
世界中きみに刃を向けたとて僕は味方と言えもしないで
零しても誰も拾わぬこころだときみが捨てさりおれが拾って
まなざしはどこへ失くした二度とない光と色を湛えていたのに
花々と心中しよう露含み腐り崩れて泥と化すため
いつまでもいつまでも見た海の泡これが夢ならすべてが夢だ
―二〇二〇年六月二十一日
鮮やかな手付きで握る懐かしきナイフのあつさ愛に非ずも
目に見えぬ微細なものは透かし見て傷が光って漸く気づく
世界中きみに刃を向けたとて僕は味方と言えもしないで
零しても誰も拾わぬこころだときみが捨てさりおれが拾って
まなざしはどこへ失くした二度とない光と色を湛えていたのに
花々と心中しよう露含み腐り崩れて泥と化すため
いつまでもいつまでも見た海の泡これが夢ならすべてが夢だ
―二〇二〇年六月二十一日