それは、2年ほど前の事だった。
情報屋で使う仕事用のメールアドレスに、見覚えのある人物から仕事依頼という件名のメールが届いた。
「九井一…って、蘭ちゃんたちの仕事相手だよね…?
なんでわざわざ私に直接依頼が来たんだろ…」
気になって軽く調べてみると、どうやら別の取引相手から情報屋の存在を知ったらしく、いつもの蘭たちとの仕事とは全くの別件で依頼をしてきたようだった。
つまり、まさか自分がメールを送った情報屋が、いつも灰谷が自分に持ってくる情報の出処だとは、思いもしていないことがわかった。
うーん。別に隠してる必要…ないよね?
2人が何度も取引してるなら、少なくともある程度は九井くんの事を信頼してるんだろうし!
そうと決まれば善は急げってね!依頼された情報をパパっと調べて、「14:00に○□公園にて」と九井くんに返信してから家を出た。
先に公園に到着して、ブランコに座って九井くんの到着を待つ。私は一方的に知っているけど、会うのは初めてだからなぁ。びっくりされるかな?
でも一度会ってみたかったんだよね〜九井くん!
どうしてこんなに大人顔負けの商売をしてるのか気になって。そんなにお金が必要な理由でもあるんだろうか?
そうこうしているうちに、公園に九井くんが到着した。辺りを見回してそれらしき人物を探している様子。
ブランコに座る私とも目が合ったけど、やっぱりすぐに違うと判断されてしまったみたい。仕方ないか。
「はじめまして、九井一くん」
「っ!?」
「はい、これ。依頼された情報ね」
「…お、女…!?
い、いや…お前もしかしてただの使い走りか…?」
「なっ…失礼ね!私が直接依頼者に会うなんて珍しいんだからね!?もう少し光栄に思ってほしいんだけど!」
「ぇあ、え…本当にお前が…情報屋、なのか…」
「そうだよ!ちなみに灰谷兄弟の情報源も私だから、九井くんにはいつも大変お世話になっておりますね〜」
「ま、まじかよ…」
そんな会話があって最初はかなり驚かれたけど、ココくんとはなんとなく似ている所があるというか…。
何か通じ合えるものがあって、不思議とあっという間に仲良くなれたんだ。
その中で、ココくんが必死にお金を稼ごうとしている理由も聞いてしまった。きっとね、そういう所が私たちは少し似ているんだと思う。だから私はココくんを信じられる。