東京都立呪術高等専門学校。

日本に2校しかない、呪術教育機関の1校。(表向きには私立の宗教系学校とされている)

多くの呪術師が卒業後もここを起点に活動しており、教育のみならず、任務の斡旋・サポートも行っている呪術界の要。

そんな呪術高専に、また1人呪術師の卵が足を踏み入れたのだった。





第3話 自分のために





「スゲー山ん中だな。ここ本当に東京?」

「東京も郊外はこんなもんよ?」

「伏黒は?」

「術師の治療を受けて、今はグッスリさ」

「そっか。スズは平気なのか?結構酷いケガだったのに…」

「うん、もうすっかり!心配してくれてありがと!」

「とりあえず悠仁は、これから学長と面談ね」

「学長…」

「下手打つと入学拒否られるから気張ってね」

「気張ってね」

「ええっ!?そしたら俺、即死刑!?」


緑に囲まれた敷地内を、3人はそんな会話をしながら進む。

虎杖の興奮した声が辺りに響く中、不意に今いるメンバー以外の謎の声が聞こえてくる…

声の発信元は、他でもない虎杖の頬からだった。

突如頬に現れた口は、いつぞやの夜を思い出させるような口調で話し出す。


「なんだ、貴様が頭ではないのか」

「「!」」

「力以外の序列はつまらんな」

「悪ぃ、先生。たまに出てくんだ」

「愉快な体になったねぇ」

「痛いとか、くすぐったいとかはないの?」

「あーうん。それは全然!」

「貴様には借りがあるからな」

「あっ!また!!」

「小僧の体モノにしたら、真っ先に殺してやる。それと…そこの女、スズといったか」

「ひっ!」

「オマエには興味がある。直接会えるのを楽しみにしてるぞ」

「宿儺に狙われるなんて光栄だ。ね、スズ?」

「いや、怖すぎますよ…次、直接会ったら瞬殺されるもん」

「やっぱコイツ有名なの?」


頬の次に虎杖の左手の甲に現れた宿儺は、五条とスズにそれぞれ言葉を残してスッと消えた。

ビビりまくるスズを面白そうに眺めながら、五条は虎杖の質問に答え始める。

両面宿儺とは腕が4本、顔が2つある仮想の鬼神だが、千年以上前に実在した人間であると…


「呪術全盛の時代、術師が総力をあげて彼に挑み敗れた。

 宿儺の名を冠し、死後呪物として時代を渡る死蝋さえ、僕らは消し去ることができなかった。紛うことなき呪いの王だ」

「先生とどっちが強い?」

「うーん、そうだね…力を全て取り戻した宿儺なら、ちょっとしんどいかな」

「負けちゃう?」

「勝つさ」


虎杖の直球な質問に、少し不安げな表情を見せるスズ。

そんな彼女を気にしながら、五条は口角を上げてそう言った。



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