五条の後ろで"茈"のもの凄い爆風に耐えていたスズは、風が落ち着いた後の景色に言葉を失った。
地面が長距離に渡って抉られ、その周りの木々はすっかり枯れ果てている。
呆然としているスズに得意げな表情を向けていた五条は、自分の服を掴んでいる彼女の手を握り、目隠しを上げながら言葉を発する。
「一件落着!!」
「…」
「…ってわけにはいかないか。」
「はい。ヤバイ場所から嫌な呪力を感じます…」
「そうだね〜…でもスズがそんな不安そうな顔しなくてもいんだよ?」
「でも…」
「(あ、そうか。)大丈夫、俺がついてるでしょ?」
「! はい。」
手を繋ぎながらそう言って顔を覗き込めば、スズは照れ臭そうな、でも安心した笑顔を見せた。
その表情を静かに見つめながら、五条はさらに言葉を続ける。
「本当にスズは、この言葉言うと安心した顔になるね。」
「だって先生が大丈夫って言ったら、絶対大丈夫ですもん。」
「…そうかな〜」
「え?」
「2人っきりの時は、あんまり信じない方がいいかもよ。」
「どういうことですか?」
「ん〜?…油断してると手出しちゃうかも、ってこと。」
「!」
耳元でそう囁いてから、五条は怪しく微笑む。
それから夜蛾に呼ばれるまでの間、五条はスズを不安にさせないようずっと傍にいるのだった。
to be continued...
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