そうこうしている間にアイスも食べ終わり、時刻はもうすぐ22時になろうとしていた。

デザートまで食べてお腹がいっぱいな上に、一度にたくさんの情報が入ってきたスズは、さっきから何度も頭をカクンとさせている。

そんな様子を愛おしそうに見つめていた五条は、彼女を刺激しないよう静かな声で言葉をかけた。


「スズ、眠い?」

「…はい……少し。」

「少し?だいぶ眠そうだけど。……泊まってく?」

「んー…でも今日から寮…の方に、行かないと…」

「そんなの明日からでもいいよ。ベッド連れてってあげるから、こっちおいで?」


そう言って五条が迎えに行けば、強烈な睡魔のせいか、何とも素直に抱きついてくるスズ。

そして横抱きにされ師匠の体温を感じた途端、彼女はスースーと可愛らしい寝息を立て始める。

愛用のベッドにそっと寝かせ布団をかけると、スズは気持ち良さそうに寝返りを打って、五条の方を向いた。


「…スズちゃん、ちょっと無防備過ぎない?」

「スー…スー…」

「2人の時は、俺"大丈夫"じゃないんだけどな〜」

「スー…スー…」

「起きないと、ご飯食べる以外のことしちゃうよ?」

「…んー…先生も、ベッドどうぞ…」

「! ここ俺のベッドですけど。…でもまっ、好きな女に誘われて断る男はいねーよな。」


優しくスズの髪を撫でた五条は、色気の欠片もないお誘いを受け、彼女を起こさないよう布団に潜り込む。

"スズが嫌がることはしない"

そう約束をした以上、寝込みを襲うような卑怯なマネは許されない。

自分には一向に訪れない眠気を恨みながら、五条の夜は更けていくのだった。


こうして、何だかとんでもないことになった姉妹校交流会の1日目が終わろうとしていた。



to be continued...



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