特級被呪者 乙骨憂太

特級過呪怨霊 祈本里香

記録---6年前 宮城県仙台市


「憂太、お誕生日おめでとう。」

「やったぁ!!開けていい!」

「いいよ。」

「開けていい!!?」

「いいってば。」

「…ゆびわ?」

「婚約指輪。」

「こんにゃく?」

「約束だよ。里香と憂太は、大人になったら結婚するの。」


公園での、子供同士のよくあるやり取り…

だがその直後、2人を最大級の不幸が襲う。

横断歩道を渡ろうとしていた里香が車に轢かれ死んでしまうのだ。

最後に乙骨の足を掴み、呪いの言葉を吐きながら…


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「ってな感じで、彼のことがだーい好きな里香ちゃんに呪われてる…乙骨憂太君でーす!皆よろしくー!!」

「よ、ようこそ憂太先輩!!」

「憂太に攻撃すると里香ちゃんの呪いが発動したりしなかったり…なんにせよ、皆気を付けてねー!!」

「はやく言えよ…」


里香に一通りやられた真希達3人は、五条の軽いノリにただただ不貞腐れていた。

先輩達の治療をしながら盛り上げたスズの頑張りも虚しく、場の空気は何とも言えないものに…

ムスッとしている教え子達を反抗期という言葉で片付け、五条は勝手に名前と特徴を紹介をしていった。


「さぁこれで1年も4人になったね。」

「(3人と1匹…)」

「スズも先輩が1人増えて良かったね〜」

「はい!」

「ふふっ。じゃあ授業始めよっか。午後の呪術実習は2−2のペアでやるよ。棘・パンダペア。」

「がんばろう。」

「真希・憂太ペア。」

「げっ。」

「(げって言った!)よ…よろしくお願いします。」

「…オマエ、イジメられてたろ。」

「!」

「図星か。分かるわ、私でもイジメる。呪いのせいか?"善人です"ってセルフプロデュースが顔に出てるぞ。気持ち悪ィ。

 なんで守られてるくせに被害者ヅラしてんだよ。ずっと受け身で生きてきたんだろ。なんの目的もなくやってるほど、呪術高専は甘くねぇぞ。」

「あ、あの真希先輩…!」

「真希、それくらいにしろ!!スズも困ってるだろ。」

「おかか!!」

「分ーったよ。うるせぇな。」

「すまんな。アイツは少々他人を理解した気になる所がある。」

「……いや、本当のことだから。」


そう言って悲しげな表情を見せる乙骨を、心配そうに見つめるスズ。

呪術界にも、この高専自体にも、そして何より自分自身の力に慣れていない彼は、まだまだ見守り支える必要があった。

その役目を担うのは、高専の癒し担当であるスズになりそうだ…!



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