五条が降ろした"帳"が上がり、学校の中から真希と子供2人を連れた乙骨が戻って来た。
子供達が無事だったことを喜びつつも、思っていた以上にボロボロな先輩2人を見てスズは焦りを見せる。
すぐさま領域展開で治療に入る彼女を見守りながら、五条は穏やかに乙骨へ声をかけた。
「おかえり。頑張ったね。」
「生きて戻って来てくれて良かった…!」
「スズ、どのぐらいかかりそう?」
「あと10分もあれば大丈夫です。そしたらすぐ病院に!」
「了解。」
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スズの応急処置が終わり、病院へと運ばれた真希と2人の子供達。
廊下にあるソファに俯いて座っている乙骨へ、五条は全員の無事を伝えた。
五条の隣には相変わらず心配そうな表情を見せるスズの姿もある。
「問題ないってさ、真希も子供も。」
「よかった…スズちゃんもありがとう。」
「いえ…!」
「何かスッキリしない顔だね。」
「…初めて、自分から里香ちゃんを呼びました。」
「そっか。一歩前進だね。」
「少し思い出したんです…里香ちゃんが僕に呪いをかけたんじゃなくて、僕が里香ちゃんに呪いをかけたのかもしれません。」
「これは持論だけどね…愛ほど歪んだ呪いはないよ。」
「先生…僕は呪術高専で、里香ちゃんの呪いを解きます。」
どこか吹っ切れたような、強く真っ直ぐな眼差しを見せる乙骨。
その姿は、高専に来たばかりの時とはまるで違っていた。
乙骨が本当の意味で4人目の先輩となったことに、スズは静かに喜びを嚙みしめるのだった。
to be continued...
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