学長との面談が何とか無事に終わり、虎杖は晴れて呪術高専に入学することとなった。

学生は基本、敷地内にある寮で生活をするため、3人は揃って学生寮へ向かう。


「とりあえずここは好きに使っていいよ。」

「おー!!広い広い!!」

「2・3年は今出払ってるけど…ま、すぐ会えると思うよ。人数少ないし。」

「スズの部屋も同じ感じなのか?」

「うん!隣の隣だから、何かあったらいつでも言って?」

「おう!ありがとな!」


スズに笑顔を向けた後、鼻歌を歌いながら部屋にポスターを貼り始める虎杖。

そのウキウキした後ろ姿に、少し口角を上げた五条が声をかける。

担任が何を言おうとしているか気づいたスズが口を開こうとすれば、彼はシーッと自分の口に人差し指を当てる。


「でも別に悠仁が戦う必要なくない?宿儺の指はスズが探して、僕や伏黒が取ってくるから、君はここで待ってればいいじゃん。」

「いい!やるったらやる!!蒸し返すな!…グータラしてる俺に、ボロボロの伏黒が指届ける絵面はウケるけどな。」

「「確かに。」」

「まっ、君が戦わないなんてことはあり得ないんだけどね。」

「あっ!!試したな!!」


そう叫ぶ虎杖に、五条は宿儺の指はそんな簡単に見つかるものではないということを話し始める。

気配が大きすぎる、息をひそめている、はたまた既に呪霊に取り込まれている…

"探す"ということに関して、これ程面倒なものはないのだと。


「でも今は君がいる。君の中の宿儺が、力を取り戻すために指の在り処を教えてくれる。

 君は器であると同時に探知機レーダーでもあるわけだ。現場にいないと始まらない。」

「そんな親切かぁ?コイツ。」

「そこはWIN-WINの関係が築けると思う。それに加えて…この子。」

「スズ?…あ、そういえばさっき"スズが探して〜"とか言ってたけど…」

「スズは陰陽師として日々呪力と向かい合ってる。だから強い呪力に体が反応するんだ。

 宿儺程の呪力なら、地中深くに埋もれてたとしても何かしら感じ取れるはず。2人が揃えば百人力だよ。」

「そっか!じゃあ一緒に頑張ろうな!」

「うん!頑張ろっ!」


笑顔でグータッチを交わす生徒を満足そうに見やりながら、部屋のドアを開けて廊下に出る五条。

と、不意に聞こえてくるテンション低めの声。

あとから出てきた生徒2人は、そんな彼の姿を見るなりパッと笑顔の花を咲かせる。


「げ、隣かよ。空室なんて他にいくらでもあったでしょ。」

「おっ、伏黒!今度こそ元気そうだな!!」

「恵!良かった…!」

「だって賑やかな方がいいでしょ?よかれと思って。」

「授業と任務で充分です。ありがた迷惑。」

「え〜でもスズが隣に入るって知った時は何も文句言わなかったじゃ〜ん。」

「! そ、それとこれとは別です。スズはうるさくしないでしょ。」

「ふーん。まっ!!いいっしょ!!それより明日はお出かけだよ!4人目の1年生を迎えに行きます。」


3人が新たな新入生と出会うまで、あと少し…!



to be continued...



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