迎えた4月。
気温もすっかり高くなり、素晴らしいタイミングで桜も満開になった。
一緒に登校するため、自宅の門前でスズを待つ五条。
そこへ大きな足音を響かせながら、真新しい制服に身を包んだ愛弟子がやって来る。
「先生、お待たせしましたー!!」
「おっ、制服いいじゃん。」
「でしょ〜?動きやすいし、最高です!」
「…スズもついに高専の1年か〜」
「はい!頑張りますよー!って、先生目隠しつけてる!!」
「気づくの遅っ。どう?似合う?」
「とっても!」
「ありがと。」
スズから貰った黒い目隠しを身につけ上機嫌に歩く師匠と、同じく足取りが軽い弟子。
そんな2人が楽しそうに歩くこと数十分。
高専の門が近づくにつれて、待ち合わせていたもう1人の人物が見えてきた。
「恵、おはよー!」
「はよ。オマエは朝からテンションたけーな。」
「昨日の夜からだけどね。おはよ。」
「おはようございます。」
この3人が呪術高専1年の新体制である。
彼らは合流すると、入学式を兼ねた学長への挨拶に向かった。
そしてそれが終わると、五条は教え子2人を連れて早速呪術実習に行くと言い出した。
「え、もうですか!?自己紹介とかしないの?」
「このメンバーでそれいる?中学の頃から知ってるじゃん。」
「そう、ですけど…入学式の日って授業ないものだと思ってた〜」
「甘いね〜スズは。ほら、恵を見てごらん?もう行く気満々だよ?」
「切り替え早っ!」
「この人が普通に初日終えるわけないからな。」
「え〜照れる〜」
「褒めてません。行くなら早く行きましょ。」
そうして向かった廃病院で、担任・五条悟の初授業が始まった。
ここには3級レベルの呪霊が100体発生しているので、スズと伏黒で半分ずつ倒してくることがミッションだ。
ただし…
「スズは陰陽師の術式は使わないように。」
「えっ…じゃあ私は何を使えば?」
「式神がいるでしょ。四獣と五行、全員満遍なく使うこと。」
「うわ、マジか…」
「? スズ、式神使うの嫌なのか?」
「嫌じゃないんだけど…上手く扱えないんだ。」
「てわけだから、恵はスズのフォローもよろしくね。」
「分かりました。じゃあしばらくは一緒に行動するぞ。」
「うす!お願いします!」
こうして始まったスズと伏黒の高専での新しい生活。
元々五条と師弟関係にある2人なので、環境的にはそこまで大きな変化はない。
それでも虎杖や釘崎が入って来るまでの数ヶ月でいろいろ起こるのだが…
それはまた次のお話で。
to be continued...
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