伏黒や釘崎と共に眼前に広がる呪いの方へ向かっていたスズは、異形の呪霊と戦う虎杖を心配そうに見やる。
というのも、先程呪霊が虎杖に対して吐いた血から何とも嫌な気配が漂って来るのだ。
体術では相手を圧倒しているものの、あの血に関しては注意が必要だとスズは本能的に悟っていた。
「(アイツが吐いた血、何かな…毒かな…)」
「悠仁ー!!」
「!」
「その血、気をつけてー!触らない方がいい!!」
「(やっぱりヤバイのか…!)分かった!ありがと、スズ!!」
いつでも自分のことを考えてアドバイスをくれるスズに、虎杖はそう叫んで笑顔を見せた。
第50話 起首雷同 ー参ー
虎杖と別れた3人は、結界内のあちこちから飛び出てくる呪霊をモグラ叩きの要領でひたすら倒し続けた。
数こそ多いが、こちらへの攻撃が一切ないため今のところ容易に祓うことができている。
スズも式神に手伝ってもらいながら倒していたのだが、ふと自分の体が引っ張られる感覚に襲われた。
「(! 今の感覚…いや、そんなはずない。呪霊が弱すぎる)」
「スズ〜?ボーっとしてどうしたのよ。疲れたの?」「大丈夫か?」
「あ、いや、ちょっと体が…野薔薇!!」
「釘崎!!」
「! 問題ない。アンタ達はモグラを叩け」
戦いの合間に3人で言葉を交わしていると、突如釘崎の背後に謎の手が現れる。
その手は彼女の腕を取ると、いとも簡単に結界の外へと連れ出した。
トプンという音と共に吸い込まれていった同期の異変に、少し離れた場所にいた虎杖も反応を示す。
「釘崎!?」
「おほっ!なんだぁ?兄者かぁ??…俺もっ!」
「! あ"ぁ!?逃げた!?放っておいていいのか?」
「そのまま追え!!」
「!」
「釘崎もソイツも結界の外に出たんだ!!予想以上に面倒くせぇのとバッティングしてるかもしんねぇ!!
逆にコッチは想定よりずっと楽だ!!俺とスズでなんとかなる!!釘崎優先!!追え!!」
「行って、悠仁!!」
「…やばくなったら2人も出てこいよ…!!」
「了解!野薔薇のことお願いね!」
「おう!!」
無言で追い払うような仕草をする伏黒に少し笑みを向けながら、スズは虎杖に声をかける。
そんな彼女に送り出されるようにして、虎杖は吸い込まれた釘崎を追って結界の外へと出ていったのだった。
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