安静期間を終え、すっかり元の状態に戻ったチーム1年の面々。

元気になった途端、4人はまた一緒の任務へと駆り出された。

毎回過酷なことが待ち受けていた4人での任務だが、今回はそんな心配もなく、何事もなく終わりを迎えたのだった。





第55話 そういうこと





任務が早めに終わった一行は、残りの時間を各自自由に過ごすことにした。

伏黒は伊地知の運転する車で直帰、虎杖とスズは揃って映画館、釘崎は新作のブランド物を求めて買い物へ…!

スズと虎杖を不満そうな表情で見送る伏黒を乗せた車が走り去ると、残った3人も動き始める。


「スズ、本当に新作見に行かないわけ?」

「うん。だってブランド物あんま興味ないもん。それより見たい映画があるんだ〜!ね?」

「そっ!ずっと楽しみにしてたんだよな〜!釘崎も行く?」

「パス」


虎杖の誘いをあっさり断ると、釘崎は2人とは別方向へと歩き出した。

その後ろ姿を見送ったスズと虎杖は、上映開始までの時間をどうするか話し合う。

パチンコで時間を潰すと言う虎杖に、スズはうるさいのが苦手だと不満を漏らした。


「耳栓してればいいんじゃね?」

「それじゃ悠仁の声も聞こえないから会話できないじゃん」

「そっか」

「てことで私、そこの本屋さん行ってくる!」

「え〜…」

「1時間後にここ集合ね!」

「分かった〜…本屋飽きたらすぐこっち来ていいから!」

「ふふっ。分かった分かった!」


一緒に時間を潰せなくてガッカリしている虎杖に笑顔を見せると、スズは早速本屋へと向かった。


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一方の釘崎はと言うと…?

タピオカ片手にブラブラしていた彼女の元に、1人の長身女子が声をかけてきた。


「あのっ…スミマセン…さっき、虎杖君と一緒にいませんでした?」

「……へ?」

「あとあの…さっき一緒に歩いて行った女の子は……彼女さん、ですか?」

「(スズのことよね…?)いや、違うけど…」


突然話しかけられたかと思えば、出てきた話題はまさかの虎杖。

長くなりそうだと判断した釘崎は、すぐに近くにあるファミレスへと長身女子を誘導した。

そしてそれぞれ飲み物を注文し、相手の名前が"小沢優子"だと分かったところで、話は本題へ入って行く。


「コレ、中学卒業式の時の私です」

「えっ、マジィ!?半年前でしょ!?何がどーしたの!?」

「いやぁ、その時から身長だけ15cmくらい伸びまして。それと東京に来て、環境の変化のストレスでみるみる…」

「ほへぇ〜…え、虎杖じゃん」


小沢が見せたスマホには彼女の中学時代の写真が入っていた。

その姿は今の彼女とは比べ物にならないほど小柄で、ふくよかな体型だったのだ。

劇的な変化に驚く釘崎は、写真の中にもう1人の人物がいることに気がつく。

小沢の横に真顔で立っているのは、今より少し幼い雰囲気の虎杖であった。


「卒業式の日、勇気を出して一緒に撮ってもらったんです。

 本当は連絡先とかも聞きたかったけど、私東京に越すの決まってたし…でもさっき虎杖君を見かけて、今の私ならもしかしたらなんて…」

「え"っ、優子それって……つまり、そういうことね!?」

「はい!!そういうことです!!」


女子同士の阿吽の呼吸で小沢の意図を理解した釘崎は、早速1本の電話をかける。

相手は、伏黒を乗せて運転中の補助監督だった。


「あ、伊地知さん!?伏黒まだ乗ってますー??お店のURL送るんで、そこまで引き返してもらっていいですか?

 アイツが何か言ってきたら、"スズもいるから"って言ってください!アザッス!!シクヨロデース!!」

「?」

「今から私より虎杖に詳しい奴が来るわ」

「あのっ」

「まずはソイツに話を聞きましょ」

「もし釘崎さんも虎杖君のこと…」

「ない。天地がランバダを踊ってもない」


そうして伏黒を呼び出した釘崎は、続けてスズにも連絡を入れる。

ちょうど本屋をブラブラしていた彼女は、"聞きたいことあるから来て〜"という釘崎からの誘いを喜んで受けるのだった。



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