そうして歩くこと数十分…
3人はようやく目的のマンションへと到着した。
と、同時に聞こえてくる大きな爆発音。
音のする方を見上げてみれば、部屋の中からもうもうと煙が噴き出していた。
「!」「お?」
「えっ!?あそこってもしかしなくても…星漿体の子の部屋?」
「だろうな。これでガキんちょ死んでたら俺らのせい?」
五条が呑気にそんなことを言っている間に、爆発した部屋から1つの人影が落ちてくる。
ものすごいスピードで落下する人物を受け止めるべく、夏油は自身の術式で空を飛べる呪霊を呼び出した。
そこへサッと乗り込むと、続けてリンの方へ手を伸ばす。
「私は上に行く。彼女がケガしてた時のために、リンも一緒に来てくれるかな?」
「うん!悟は?」
「俺は残る。リン、絶対傑から離れんなよ?」
「分かった!近くに嫌な気配があるから、悟も気をつけてね…!」
「大丈夫だっつーの。…傑、リンのこと頼むな。」
「ふっ。もちろん。」
そんな会話をした後、リンと夏油は星漿体を助けるべく上空へと向かう。
そのあまりの高さにビクビクしながら、リンは夏油の腰にしがみついていた。
「リン、大丈夫?」
「う、うん。何とか…!ごめんね、傑君…お腹苦しくない?」
「全然。…むしろもっとくっついて欲しいぐらい。」
「!」
「ふっ。じゃあスピード上げるから、掴まっててね。」
「は、はい…!」
チラッとリンの方を見て微笑んだ夏油は、星漿体の少女の落下地点へと急いだ。
そうして、気を失っている少女を無事に受け止めるのだった。
「悪く思うなよ。恨むなら天元を恨み…なっ!?」
「リン、この子のこと頼めるかな?」
「了解!(この子が星漿体…普通の可愛い女の子じゃん。)」
「目立つのは勘弁してくれ。今朝怒られたばかりなんだ。」
「その制服…高専の術師だな?ガキを渡せ。殺すぞ。」
「聞こえないな。もっと近くで喋ってくれ。」
リンに見せていた笑みと違い、挑発するような表情で"Q"の戦闘員であるコークンと対峙する夏油。
一方、地上でリン達の様子を見守っていた五条の方にも、"Q"の戦闘員・バイエルが姿を見せた。
自分へと向かってくる複数のナイフの動きをビタッと止めると、御三家の当主は余裕の表情で相手を迎える。
「素晴らしい。君、五条悟だろ。有名人だ。強いんだってね。噂が本当か確かめさせてくれよ。」
「いいけど…ルールを決めよう。」
「ルール?」
「やり過ぎて怒られたくないからね。リンにもブーブー言われるし。…泣いて謝れば殺さないでやるよ。」
「クソガキが。」
夏油と同じように、五条もまたいち学生とは思えないような挑戦的な表情を見せるのだった。
to be continued...
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