学校を離れて少し経った頃、夏油から五条へ連絡が入った。
ビルの屋上で敵と対峙していた五条は、携帯をスピーカーにしてリンと一緒に同期からの報告を聞く。
「…天内の首に3000万の懸賞金?」
『ああ、呪詛師御用達の闇サイトで期限付き。明後日の午前11時までだそうだ。』
「成程ね。ったく、呪術師は年中人手不足だってのに。転職するなら歓迎するよ、オッサン。」
「いつの間にこんなこと…」
「リン、コイツのこと頼む。」
「分かった。理子ちゃん、私の傍にいてね。」
「うむ…!」
天内が傍に来て、自分の腕を掴むのを確認すると、リンは周囲に陰陽道由来の結界を張った。
これは五条の無限に似たもので、よっぽどの強い攻撃でない限り、この結界が破られることはない。
信頼する幼馴染に背中と星漿体を預け、五条は敵と向かい合う。
相手の術式を読み解きながら、自身の術式を開示し、敵を翻弄する五条。
最後に彼は絶賛練習中で、リンにしかその全容を話していない技…術式反転・"赫"を繰り出した…のだが。
「…?」
「フッ…」
「失敗してるじゃん!何でできない技をこのタイミングでやろうとするのよ!」
「なんかできそうって思ったんだけどなぁ。いけそうだったよな〜リン?」
「私に聞かないでよ。」
「リン、マジでアイツは何なのじゃ。」
「ごめんね。強いのは強いんだけど…って、理子ちゃん携帯鳴ってない?」
「おっ、黒井からじゃ。」
「黒井さん、何だって?」
「どっ、どうしよう黒井が…!!黒井が!!」
天内の携帯に送られてきたのは、口と手足を縛られた黒井の写真だった。
あまりの出来事に動揺する天内を、リンは優しく支えていた。
to be continued...
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