「じゃあ僕の家こっちだから!」
「そっか。気をつけてね!」
「うん、ありがとう!バイバーイ!」
「「バイバ〜イ」」
笑顔で手を振って去っていく少年に、五条とスズも同じく笑顔でひらひらと手を振り返す。
"恵も振ってあげなよ〜"とからかってくる担任を軽く無視しながら、伏黒はさっさと廃ビルの方へ戻り始めた。
そんな彼をニヤニヤと見つめながら、スズ達もまた後を追うのだった。
「お疲れサマンサー!!子供は送り届けたよー。今度こそ飯行こうか。」
「ビフテキ!!」「シースー!!」
「私は〜」
「スズはオムライスかハンバーグでしょ。」
「何ですか、その"どうせこれでしょ"的な言い方!」
「だっていつもそうじゃん。それとも違うの?」
「…違くないけ「じゃあいいじゃん!恵は?」
「んー」
頭をポンポンしながらスズをなだめている五条に問いかけられると、伏黒は黙々とスマホをいじる。
近くにいた五条とスズが覗き込めば、そこには行きたいお店のリストがズラズラと書かれていた。
それを見て途端に面倒くさくなった担任は、おのぼりペアを促してそそくさと移動を始める。
ショックを受ける伏黒の肩をポンと叩くと、スズもまた歩き出した。
「どったの伏黒。」
「別に。」
「出番がなくてスネてんの。」
「プップー子供〜」
「恵って結構分かりやすいよね!」
「うるせ。」
誰の希望を採用するかでギャーギャーと騒ぎながら歩く5人。
それは巷でよく見られる、担任と生徒の微笑ましい姿だった。
だからこの時はまだ知る由もない。
この元気な生徒達が、あんなことになるなんて…
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記録---2018年7月 西東京市 英集少年院 運動場上空
「おい、なんだアレ?」
「ドレ?」
「アレだよ!!卵みてぇな!!」
「だからどれだよ!!」
特級仮想怨霊(名称未定)
その呪胎を非術師数名の目視で確認。
緊急事態のため、高専一年生4名が派遣され…
内1名死亡、1名意識不明の重体。
to be continued...
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