スズに体を預け、治療を受けていた虎杖。

傷が癒えていくに従い、彼の呼吸は穏やかになっていった。

数分後…

安心したように眠りに落ちた同期を優しく支えながら、スズは治療を終えたのだった。





第104話 自浄自縛





同じタイミングで、クグノチによる真希の治療も完了し、2人は互いに笑みを向ける。

そこへ辺りを調べていたワダツミが戻り、女子3人での会議が始まった。


『2人とも治療終わったのね』

「うん、もう心配ない」

『悠仁も真希もグッスリです〜』

「そっちはどう?」

『呪力を探った感じ、散らばってたメンバーが東京に集まりつつあるわ』

『結界間の移動が可能になったからですね〜』

「あ、なるほど。じゃあ私達も合流した方がいいね」

『えぇ。持ち寄った情報を整理して、次の動きを皆で考える必要があると思う』

『天使と華の状況によっては、悟の封印についても考え直さないとです〜』

「そうだね…呪力は感じられるから最悪の事態にはなってないだろうけど、かなり危険な状況だと思う…」

『そう…でもここで不安がってても仕方ないわ。早速移動しましょ』

「うん…」

『大丈夫。皆そんなヤワじゃないわよ』

『そうですよ〜皆、スズの笑顔を待ってます〜』

「ありがとう、クグノチ。ワダツミ。気合い入れないとね!」


そう言いながらパンッと両頬を叩いたスズは、2人を安心させるように微笑みかける。

そしてすぐに朱雀を呼び出すと、そこへ虎杖と真希を乗せ飛び立った。


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呪力を探りながら移動すること15分…

学校のような大きな建物に到着したスズは、見知った呪力が集合していることを感じ取り、ホッと息を吐く。

それから医務室に虎杖と真希を運び込みベッドへ寝かせると、途中で調達した着替えを枕元に置いて部屋を出た。


「(皆がいるのはどこの部屋かな…)」

「あ、スズちゃん!」

「憂太先輩!」

「良かった…無事だったんだね」

「はい。先輩もご無事で何よりです…!」

「ありがとう!」

「あの、来栖さんは…」


そう問いかけたスズに、乙骨は現状を伝える。

今さっき家入による治療が終わったこと。

片腕を失ったが命は助かり、精神状態も落ち着いてきていること。

宿儺のように体を乗り換えることはできないため、天使と来栖は五条解放までしか力になれないこと…


「命があるってことだけで十分ですよ。硝子さん、やっぱりすごいですね」

「本当に。かなり頑張ってくれたみたいで、"あとでスズに癒してもらお"って言ってたよ」

「私で良ければいくらでも!」

「ふふっ。よろしくね!…あ、そうだ。狗巻君にはもう会った?」

「いえ、まだです」

「そっか。すごく会いたがってたから、顔見せてあげて?そこの大ホールにいると思うから」

「分かりました!」


他に行くところがある乙骨と別れ、スズは教えられた場所へ足を向ける。

ホールの扉を開けると、中には久しぶりに見る懐かしい顔が並んでいた。

秤・綺羅羅ペアに鹿紫雲、脹相や京都校の面々…

その中に、小さくなったパンダと共に狗巻の姿があった。



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