それからもずっと抱きついたままの五条。

スズが"洗い物できないですよ〜"と訴えるも、抱き締める力は全く緩まない。

そんな五条が、彼女をより強く抱き寄せた。


「…好きだよ、スズ」

「!」

「大好き」

「ど、どうしたんですか急に…!」

「ん?会えない時に言えなかった分、たくさん言いたいなって思っただけ」

「えぇ!?で、でも今はダメです…!」

「何で?」

「ドキドキし過ぎて、ますます洗い物できないから…!」

「じゃあしなくていい」

「えっ…」

「そんなのいいから…もっと俺にドキドキして?」


スズの体を反転させ自分の方に向けると、五条はそう言って熱っぽい目を向ける。

他の誰にも見せないその表情を受けてスズのドキドキはピークに達し、そして…

不意に足の力が抜け、ペタンとその場に座り込んでしまった。

楽しそうな笑顔で同じようにしゃがんだ五条は、彼女と視線を合わせる。


「腰抜けた?」

「はい…」

「ふっ。そうやってすぐ顔と動きに出るとこも好き」

「! …もう好きって言うの禁止!」

「嫌です〜それより座ってて。残りは俺が洗う」

「いや、それは…!」

「スズは俺に優し過ぎ。どんだけ疲れてても、こんぐらい余裕だから。すぐ終わるから、ちょっと待ってて?」

「は、はい…!」

「ん、いい子」


そう言った五条はスズのおでこにチュッとキスをしてから立ち上がると、残りの洗い物を手際よく片づけていく。

ただ洗い物をしているだけなのに、見上げた先にいる師匠はとても絵になった。

おでこへのキスでいよいよキャパオーバーになったスズは、五条の長い足に少し頭を預けて呼吸を整える。

足に感じる想い人の感触に嬉しくなりながら、五条は5分もかからず作業を終えた。


「終わったよ〜スズ。立てそう?」

「はい…!手伝ってくれてありがとうございました!」

「どういたしまして。じゃあ〜はい、お手をどうぞ」

「恐れ入ります…!」


自分が差し出した手を取るスズを、体を支えつつ優しく立たせる五条。

そしてそのままその手を引いて、今度は正面からギュッと抱き締めた。


「好き」

「うぅ〜先生のバカ〜」

「あははっ。顔赤いね〜」

「先生のせいですよ…!」

「うん、知ってる。そしたら顔の熱が冷めるように、ゆっくり歩いて家帰ろっか」

「…はい」


終始恥ずかしそうにしている想い人の手を握り、五条は歩き出す。

途中で繋ぎ方を恋人繋ぎに変えれば、五条が大好きな表情を見せてくれるスズなのだった。



to be continued...



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