場面は変わり、2年生チームと伏黒・釘崎コンビの様子はといえば…

それは五条に対する呪霊の襲撃から数日が経ったある日のこと。

特訓の休憩時間を利用して、真希が2人を買い出しに行かせていた。

姿が見えない伏黒と釘崎を気にしたパンダが、彼女に声をかける。


「大丈夫か?」

「3歳児じゃねーんだ。お遣い位できんだろ。」

「いや、そうじゃなくて…今日だろ、京都校の学長が来んの。交流会の打ち合わせで。」

「!」

「特級案件に1年派遣の異常事態…悟とバチバチの上層部が仕組んだって話じゃん。京都の学長なんてモロその上層部だろ。鉢合わせでもしたらさァ…」

標的ターゲットだった1年…虎杖は死んで、スズも未だに意識不明状態。

 恵達を今更どうこうするつもりもねぇだろ。京都のジジィだって表立って騒ぎは起こさねぇって。」

「教員は立場があるけど、生徒はそうでもないよな。」

「来てるって言うのか…真依が。」

「憶測だよ。打ち合わせに生徒は関係ないからな。でもなァ…アイツら嫌がらせ大好きじゃん。」


パンダがそんな心配をしていたまさにその時、伏黒と釘崎は京都校メンバーと接触していた。


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飲み物を買うために来ていた自販機ゾーンで、1年コンビは真希の妹である真依&3年の東堂と対面していた。

両名と面識のない釘崎は、伏黒との会話を聞きつつ事態を把握しようとしていた。


「なんで東京こっちいるんですか、禪院先輩。」

「あっ、やっぱり?雰囲気近いわよね。姉妹?」

「嫌だなぁ、伏黒君。それじゃあ真希と区別がつかないわ。真依って呼んで。」

「コイツらが乙骨と3年の代打…ね。」

「アナタ達が心配で学長に付いて来ちゃった。同級生が2人も死んだんでしょう?辛かった?それともそうでもなかった?」

「スズは死んでません。……何が言いたいんですか?」

「いいのよ。言いづらいことってあるわよね。代わりに言ってあげる。"器"なんて聞こえはいいけど、要は半分呪いの化物でしょ。

 そんな穢らわしい人外が隣で不躾に"呪術師"を名乗って、虫唾が走っていたのよね?死んでせいせいしたんじゃない?

 それに加えてあの回復能力がすごい…スズちゃんだっけ?あの子も、自分が死んでちゃ世話ないわよね。」

「「…」」


自分たちの同級生に対する散々な言われようは、伏黒と釘崎の機嫌を大いに損ねさせた。

辺りが一気に緊張モードになる中、今まで静かに会話を聞いていた東堂が口を開く。

話しかけた相手は、同性である伏黒だった。


「伏黒…とか言ったか。」

「!」

「どんな女がタイプだ?」

「?」

「返答次第では今ココで半殺しにして、乙骨…最低でも3年は交流会に引っぱり出す。」


"身長タッパケツがデカい女がタイプ"

着ていたTシャツを破きながら自分の好みをそう告げると、東堂は気迫十分の戦闘態勢で伏黒と向かい合った。



to be continued...



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