一方の七海・虎杖ペアはと言えば…
2体の呪霊に対し、2人がそれぞれ相手をしていた。
いつも通り冷静に呪霊に対峙している七海はもちろんだが、五条から修行をつけてもらっている虎杖も、彼特有の特殊な攻撃で立派に戦えている。
その特殊な攻撃というのは、ある日の五条との特訓中に発見されたものだった。
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「悠仁の呪力はさ、遅れてやってくるね。」
「遅れて?」
「あっ、何か変な感じがするのはそのせいか!」
「うん。悠仁の瞬発力に呪力が追いついてない。呪力を留める技術も未熟だから軌跡に残りがち。
それが逆に変則的な呪力の流れを作ってる。拳が当たったと認識した直後に呪力がぶつかってくる。
つまり…一度の打撃に二度の衝撃が生まれる。」
「すごい…!悠仁の必殺技できましたね!」
「そうだね〜"逕庭拳"ってとこかな。」
「カッコイイ!!」
「スズでもなかなか狙ってできることじゃない。これは大きな武器になる。」
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こんな具合に、虎杖にも1つ武器ができた。
呪力の制御にはまだ時間がかかるものの、持ち前の運動神経と体術でかなりのレベルまで仕上がっている。
それは七海にも感心されるぐらいのものだった。
だがそんな2人に何とも衝撃的な現実が突きつけられる…
彼らが戦っていたのは呪霊ではなく、呪術によって体を変えられた元人間だったのだ。
調査にあたった家入との電話を通してその事実を知った虎杖は、さっきまでの元気が嘘のように気持ちが沈んでいた。
『そうだ、虎杖は聞いてるか?』
「あ、ウス。」
『コイツらの死因はザックリ言うと、体を改造させられたことによるショック死だ。君が殺したんじゃない。その辺り履き違えるなよ。』
「はい…あ、家入さん。」
『ん?』
「スズってもう高専戻って来てる?」
『いや、まだ帰ってないよ。でも任務はもう終わってるみたいだから、そろそろ到着するんじゃないかな。』
「そっか…」
『何か伝言でもある?』
「ううん、大丈夫。ただ声聞きたいなーって思っただけだから。」
虎杖のその言葉を最後に、家入との電話は終わった。
通話終了ボタンを押した七海に、虎杖は低く静かな声で怒りを露わにする。
「どっちもさ、俺にとっては同じ重さの他人の死だ。それでもこれは…趣味が悪すぎだろ。」
「(この子は他人のために本気で怒れるのだな。スズと少し似てる…か。)
あの残穢自体ブラフで、私達は誘い込まれのでしょう。相当なヤリ手です。これはそこそこでは済みそうにない。気張っていきましょう。」
「応!!」
そんなやり取りを交わした後、2人は高専へと戻り改めて作戦を立てることにしたのだった。
to be continued...
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