虎杖悠仁が特級呪物"両面宿儺"を取り込んだ。

その結果には恐らくいろいろな可能性があっただろう…

しかしその中で、スズと伏黒が思い描いた一番悪い結果が出てしまった。


「特級呪物が…」「受肉しやがった!!」

「呪霊の肉などつまらん!人は!女はどこだ!!…いい時代になったのだな。女も子供も蛆のように湧いている。素晴らしい…鏖殺おうさつだ。」


屋上から街を眺めながら虎杖…いや、今や両面宿儺となった男は嬉しそうにそう言った。

そしてその上機嫌な男は、今一番自分の近くにいる女の存在に気がついてしまう…


「(しまった…!)スズ、逃げろ!!」

「スズというのか…」

「ひっ…!」

「ん?オマエ……なにか変だな。」


言いながらスズの方へ近づこうとする両面宿儺だったが、その動きが突然ピタッと止まる。

おまけに彼の右手が自分の首を掴んでいるという不思議な状態。

その光景にスズや伏黒はもちろん、両面宿儺自身も驚きを隠せないようだった。


「あ?」

「人の体でスズに何しようとしてんだよ。返せ。」

「悠仁…?」

「オマエなんで動ける?」

「? いや、俺の体だし。」

「(抑え込まれる…)」


スズの目の前にいる男は何とも摩訶不思議な会話をしながら、そこに立っている。

彼女に近づこうとしたのは両面宿儺、そしてそれを止めたのは虎杖悠仁。

1つの体に2つの人格が宿っているかのようなその状態に、スズは戸惑いながらも虎杖の名前を呼んだのだった。

が、伏黒は頭を切り替え術式を発動する。

そう。虎杖はもう…


「動くな。オマエはもう人間じゃない。」

「は?」「ちょ、ちょっと待って恵…!」

「呪術規定に基づき、虎杖悠仁オマエを……"呪い"として祓うころす。」



to be continued...



- 32 -

*前次#


ページ:

第0章 目次へ

第1章 目次へ

第2章 目次へ

第3章 目次へ

第4章 目次へ

第5章 目次へ

第6章 目次へ

章選択画面へ

home