虎杖悠仁が特級呪物"両面宿儺"を取り込んだ。
その結果には恐らくいろいろな可能性があっただろう…
しかしその中で、スズと伏黒が思い描いた一番悪い結果が出てしまった。
「特級呪物が…」「受肉しやがった!!」
「呪霊の肉などつまらん!人は!女はどこだ!!…いい時代になったのだな。女も子供も蛆のように湧いている。素晴らしい…鏖殺だ。」
屋上から街を眺めながら虎杖…いや、今や両面宿儺となった男は嬉しそうにそう言った。
そしてその上機嫌な男は、今一番自分の近くにいる女の存在に気がついてしまう…
「(しまった…!)スズ、逃げろ!!」
「スズというのか…」
「ひっ…!」
「ん?オマエ……なにか変だな。」
言いながらスズの方へ近づこうとする両面宿儺だったが、その動きが突然ピタッと止まる。
おまけに彼の右手が自分の首を掴んでいるという不思議な状態。
その光景にスズや伏黒はもちろん、両面宿儺自身も驚きを隠せないようだった。
「あ?」
「人の体でスズに何しようとしてんだよ。返せ。」
「悠仁…?」
「オマエなんで動ける?」
「? いや、俺の体だし。」
「(抑え込まれる…)」
スズの目の前にいる男は何とも摩訶不思議な会話をしながら、そこに立っている。
彼女に近づこうとしたのは両面宿儺、そしてそれを止めたのは虎杖悠仁。
1つの体に2つの人格が宿っているかのようなその状態に、スズは戸惑いながらも虎杖の名前を呼んだのだった。
が、伏黒は頭を切り替え術式を発動する。
そう。虎杖はもう…
「動くな。オマエはもう人間じゃない。」
「は?」「ちょ、ちょっと待って恵…!」
「呪術規定に基づき、虎杖悠仁オマエを……"呪い"として祓う。」
to be continued...
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