交流会開始30分前…

東京校の面々は、相手の動きを予測しながら作戦を立てていた。

中心になって話を進めるのは、高い身体能力を誇る真希だった。


「東堂は確実に直で私達を潰しにくる。真依も私狙いで便乗してくるかもな。東堂は化物だ。全員で相手にして全滅するのが最悪のパターン。

 だから足止めとして1人だけ、パンダか恵を置いてくつもりだったが…虎杖、オマエに任せる。」

「!」

「勝たなくていい。できるだけ粘って時間を潰せ。」

「でも大胆にいけよ!ぶっちゃけオマエは予定外の戦力だから、リタイヤしてもあんまり困らん。」

「ひっでぇ。」

「悪ィな恵、オマエ東堂とやりたかったろ。」

「いや別に、どっちでも…」

「スーパードライだな。」

「でも先輩、やるからには……勝つよ、俺。」


真希の目を見ながら力強くそう言った虎杖は、自信に満ち溢れていた。

その以前とは見違えるような彼の姿に、スズは満足そうな笑顔を見せる。

と、そんな彼女に伏黒が声をかけた。


「スズ。」

「ん?」

「この前俺が東堂とやり合った時に助けてくれたの…スズだよな?」

「あ、やっぱりバレてた…?」

「俺がオマエの呪力分かんないわけねーだろ。」

「あははっ!そうだよね!…あの日大丈夫だった?」

「うん、スズのお陰で何とか。ありがとな。」

「どういたしまして。無事で良かった〜!」

「やめろ…!頭撫でんなって…!」


笑顔全開のスズにワシャワシャと頭を撫でられると、伏黒はくすぐったそうにその手を払いのけようとする。

だがその表情はとても穏やかで、緩む口元を隠せていなかった。

スズとのじゃれ合いで伏黒が見せる笑顔に、真希や釘崎は驚いたように顔を見合わせていた。


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さて、視点を交流会に戻そう。

東京校メンバーと別れ東堂とぶつかった虎杖は、そのオーラと呪力に恐怖を感じていた。

そして反撃とばかりに東堂から繰り出された強烈なパンチ。

スズのアドバイス通り呪力でガードしながら両腕で受けたものの、その衝撃は吹っ飛んだ先の大木がめり込むほど…

それから間を置かず、東堂は木の根元に座り込んでいた虎杖に対し殴る蹴るの猛攻を浴びせた。


「終わりか……さて、どっちを追うかな。」

「…」

「! くっくっ…マジかオマエ。」


顔のあらゆるところから出血しながらも、虎杖は静かに立ち上がる。

その右手は、スズからもらった勾玉を握りしめていた。


「(…これが木下スズの力か。聞いてた通りの力だな。)」

「(やっぱスズの力すげー…痛み引いてきた…!)人の頭バカスカ殴りやがって。これ以上バカになったらどうすんだよ。」

「心配するな。"男の子はバカな位が丁度いい"と高田ちゃんが言っていた。」

「誰だよ。アイドル興味ねーよ俺。」

「じゃあなんでアイドルって分かんだよ。知ってんじゃねーか。…1年、名前は。」

「虎杖悠仁。」

「そうか、虎杖悠仁…オマエに1つ聞きたいことがある。どんな女が好みタイプだ?」


伏黒と相対した時と同じ質問を投げかけると、東堂はさらに呪力を上げるのだった。



to be continued...



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