慌ただしかった初日を終え、スズ達新入生は高校生活2日目を迎えた。

2日目も初日同様バタバタと過ぎ、気づけばあっという間に放課後…


スズは席替えで隣になった黒子、そして黒子の前に座る火神と一緒に体育館に向かおうと、自分の左側の列を振り返る。

しかしそこには既に黒子の姿はなく、火神も支度を終え今にも机を離れるところだった。


「黒子君、火神君、一緒に部活行こー!…って、あれ?黒子君は?」

「知らね。オレが振り向いたときにはもういなかったけど。」

「え〜?いつの間に出ていったのかな…」

「オマエが気づかなかっただけじゃねーの?…おら、一緒に行くんだろ?早く行こうぜ。」

「あ、うん!」


座っているすぐ後ろを通られれば分かるはずなのに…と、黒子の不在を不思議がっていたスズだったが、火神に促され、体育館に向かうべく教室を出た。


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ジャージに着替えたスズが体育館の更衣室から出ると、そこにはパラパラと部員が集まってきていた。

その中にはカントクであるリコや、勧誘活動をしていた小金井の姿もある。

もちろん、自分と同じクラスの火神も動きやすい服に着替えて待機中だ。


「(やっぱ火神君大きいな〜…って、黒子君は?先に来てるはずだよね?)」


そう思って辺りを見回すが、一向に彼の姿は見えない。

トイレか何かかな…などとスズが思っていると、不意に自分の名前を呼ぶ声が聞こえてくる。


「スズー!」

「はい!」

「ちょっとこっち来てー!」


小金井に呼ばれ彼のもとに駆け寄れば、そこにはリコをはじめとして2年生がズラっと揃っていた。

いきなりのことに戸惑うスズを他所に、リコはテキパキと自分の同級生達に彼女の紹介をする。


「まだ1年生揃ってないみたいだし、みんなに先にマネの紹介だけしとくわ。今年からうちのマネージャーをやってくれるお元気娘、スズよ!」

「(お、お元気娘…?)あ、木下スズです!よろしくお願いします!!」

「「「よろしく〜」」」

「じゃあ今度はこっちの紹介してくわね。左端から…」


そうしてリコは1人ずつ名前を言っていく。

主将の日向、司令塔の伊月、寡黙な水戸部、ムードメーカの小金井、縁の下の力持ち土田。

一部言葉を発しない者はいるが、明るく礼儀正しいスズを全員が好意的に迎えた。

その証拠に、全員が全員、彼女のことを既に呼び捨てで呼んでいる。

創部以来、初のマネージャーであるスズは、リコや日向達から本人が思ってる以上に歓迎されているのだ。



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