「オマエは!何を考えてんだ!!あのままケンカとかになったら、勝てるつもりだったのかよ!?」
「いや、100%ボコボコにされてました。見てください、この力コブ。」
「テメッ…!ねーし!!」
「黒子っちって、たまにすごいよねー。」
「こっちはハラハラするけどね…」
「それでもあの人達はヒドイと思いました。スズもそう思いましたよね?」
「うん、思った!あれはバスケに関わる人間として許せない。」
「だから言っただけです。」
「だからその先を考えろ!」
「…忘れてました。」
そんな彼らのやり取りを見て少し笑みを見せた黄瀬は、そろそろ帰ろうとバッグを手に取る。
でもその前に、どうしてもスズと2人っきりで話したいようで…!
黒子と火神の方を笑いながら眺めていた彼女の名前を小さな声で呼び、2人から少し離れたところまで連れ出したのだった。
「どしたの、涼太?」
「いや、帰る前にちょっと話したいな〜って思って!」
「そっか、もうそろそろ帰んないとだもんね。…てかさ、さっき別れてからすぐ会えたね!」
「ねっ。オレも最初スズっち見た時、ビックリしたっス!」
「これならきっと、またすぐ会えるね!」
「! そうっスね!…スズっち。」
「ん?」
「…今度、オレとデートしてくれないスか?」
「へ?」
「スズっちに紹介したいお店いーっぱいあるんスよ!だから遊びに行こっ!」
「おぉ!行く行くー!涼太のオススメなんて、すごい楽しそう!」
ニコニコしながら自分を見つめるスズを、黄瀬は愛おしそうに眺める。
彼女への想いは、今回のこの1件でどうやら更に増したようである。
と、そんなほんわかムードの2人の元へ、誠凛コンビがやってきた。
「おい!オマエ、スズまでラチってんじゃねーよ!!」
「何なんスか、もー!いいじゃないっスか!」
「ボク達に黙って連れていかれるのは困ります。」
「はぁ〜…分かったスよ。でもまぁ、今日のところはいいっス!話は終わったし。ねっ!」
「そうだね!」
「てことで、オレはそろそろ行くっスわ。最後に黒子っちと一緒にプレーもできたしね!
あと火神っちにもリベンジ忘れてねっスよ!予選で負けんなよ!!」
「火神っち!?」
「黄瀬君は、認めた人には"っち"をつけます。よかったですね。」
「やだけど!!」
「何でよ、可愛くていいじゃ〜ん。火神っち!」
ニヤニヤ笑いながらスズがそう言えば、火神はすぐに頭掴みの刑を執行する。
しかしその痛みに耐えながら、笑顔でこちらに手を振っている黄瀬に同じく手を振り返す、律儀なスズなのであった。
そして黄瀬が帰り、代わりにカントクのちょっと怒りを含んだ高い声が公園の外から聞こえてきた時…
黒子は火神に問いかけた。
「火神君、1つだけ聞かせてください。あの話を聞いてましたか?」
「決別するとかしないとかか?てゆーか、それ以前にオレ、オマエと気ィ合ってねーし。
1人じゃ無理だって言ったのはおめーだろ。だったらいらねー心配すんな。
…それに、いつも主役と共にある、それが黒子のバスケだろ。」
「火神君もけっこう…言いますね。」
「ふふっ。」
「うるせーよっ!スズも笑うな!…って、コイツがいんじゃん。」
「ん?」
「もし仮にオレらに何かあったとしても、スズがいりゃ大丈夫だろ。な?」
「もちろん!任してちょーだい!」
「ふふっ。確かにスズがいれば安心ですね。」
そう言って、3人は笑顔を見せる。
彼らの関係は、ここに来てまた一段と深まったようだ…!
to be continued...
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