応接室から走り続けて校庭に出ると、野球部の練習がちょうど終わるところだった。

それと同時にファンクラブの女性陣も解散し始めて、少し学校に静けさが戻ってきた。


いや〜それにしてもヒバリン男前だったなぁ…!

まぁかなり怖かったけども。

次会うときは、もう少し印象のいい子にならなきゃ!

さて!一旦ヒバリンのことは置いといて、やまもっちゃんと合流しますかね。





標的10 ビックリ大作戦





とは言ったものの、猛ダッシュしたせいで私は息が上がりまくっている。

じゃあ一緒に走ってたイケメン2人はどうかといいますと…

運動神経抜群の獄寺くんは当然余裕顔だし、運動音痴だと思ってたツナも、若さなのか何なのか意外とピンピンしてるんです。


「スズ、大丈夫…?」

「うん…なん、とかね…」

「お前体力ねーな。」

「まぁね…自分、でも…こんなに、ないとは…思わな…かった。」


ゼーゼーしながら必死に呼吸を整えること数分。

ようやく私の体力が元通りになったところで、私達3人は練習を終えたばかりの野球少年の元に駆け寄った。


「おー!悪ぃ悪ぃ!待たせちまったな。」


こっちに気づき、苦笑いでそう言う彼を見ると、何だかとても安心した。

ヒバリンがこの爽やか少年と同じ中学生とは思えないわ…

てか、一瞬ここが中学校だって忘れてたよ。


「やまもっちゃん、お疲れ様!」

「サンキュ!どうだった?オレらの中学。」

「ものすごい恐ろしい人に会って怖かったけど、全体的にキレイだし、いい学校だった!」

「恐ろしい人?」

「ヒバリさんのことだよ。スズが会いたいって言うから、応接室まで行ってきたんだ。」

「そしたら殴られそうになってさ〜でも2人がいてくれたお陰で、無事に帰ってこれたんだ!」


私がそう言うと、野球少年は相変わらずの素敵な笑顔を見せてくれた。

ていうか、今こうして改めてやまもっちゃんを見ると、本当この子は背が高い!

中学生でこの身長だったら、そりゃモテるよ。おまけに練習後だっていうのにいい匂いするし!

さすがファンクラブ持ちの男は違うわ…!

そうだ!この機会に…


「やまもっちゃん!」

「ん?」

「一緒に写真撮ってもらってもいい?」

「へ?写真?」

「うん!私、やまもっちゃんのユニフォーム姿大好きでさ!だからぜひ記念に1枚撮っていただけないかな…?」

「全然いいぜ。スズとならいくらでも撮るよ!」


少し照れたように笑う彼は、さっきまでと違ってビックリするぐらい可愛くて…!

また新たな魅力に出会えたわ!

そしてツナに携帯を渡し、パシャリと1枚。

練習後で疲れてるだろうに、やまもっちゃんはそれはそれは素敵な笑顔でピースをしてくれた。

本当この子はいい男だっ!


「ありがとう、やまもっちゃん!」

「どういたしまして。って言っても、そんな大したことしてねーけどな。」

「いやいや、私にとっては大したことなのよ!本当にありがとう!」

「そうか?まぁ、スズが喜んでくれんならそれでいいけどさ!んじゃオレ着替えてくるから、もうちょい待ってて!」


そう言って颯爽と部室の方に走って行くやまもっちゃん。

てゆーか、"スズが喜んでくれんならそれでいい"とか…カッコ良すぎでしょ!!

中学生が普通こんなこと言える?少なくとも、私が元いた世界の中学生は言えないね。

やっぱりこの並盛トリオはクオリティが高いわ…!



それから数十分後…

制服に着替えたやまもっちゃんが合流し、私達の珍道中は再開した。


「スズ、今度はどこか行きたいとこある?」

「う〜ん、そうだなぁ……あ、お腹空いたから、何か食べたいな!」

「いいね〜!オレもすんげー腹減った。」

「山本は部活の後だもんね。じゃあ…そこの角にある定食屋さんに行こっか!」

「「おーっ!」」


拳を突き上げるポーズ付きでそう叫ぶ私とやまもっちゃん。

そんな私達の声を聞いて、獄寺くんはすっかり呆れ気味…


「…お前らガキだな。」

「何ですと、ごっきゅん!誰がガキなの、誰が!」

「お前と山本だよ!ったく…タメとは思えねーな。」

「え?そりゃそうでしょ。タメじゃないもん。」

「は?誰が?」

「いや、私が。」

「いやいやいや。お前14だろ?」

「14じゃないよ!私は16歳!正真正銘の女子高生です!」


………


「「「えぇぇ!?」」」

「え、そんなに驚くこと?」


別に隠してたわけじゃないんだけど…そういえば言わなかったっけか。

てかタメだと思われてたって、どんだけ幼く見られてるんだ私は…


「スズ、お前それ嘘だろ?お前がオレらより2つも上なわけねーもんな。」

「嘘じゃないって!大体こんなとこで嘘ついてどうすんのよ!何もメリットないじゃん。」

「「確かに…」」

「いや、でも!!」

「はいはい、そこまで〜!さっ、ご飯食べに行きましょ!」


何とか受け入れたツナとやまもっちゃん。

そして未だに信じられない様子の獄寺くんと共に、私は美味しいお昼ご飯を食べました。

何か人を驚かすのって楽しいや!



to be continued...



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