やまもっちゃんの部活動が終わるのを待っている間に、私はあることに気がついた。
まだ大事な"あのお方"に会ってないじゃない!
並盛中といえば、この人に会わないわけにはいかないわ!
標的9 強敵との出会い
校庭の隅の方にあるベンチに座り、自販機で買ったパックジュースを3人で仲良く飲む私達。
元の世界では何てことないジュースだけど、この環境で飲むとものすごく美味しく感じるんだ!
そんなことを思いながら、私はさっき思いついたことを実行するために、右側に座るイケメン2人に声をかけた。
「ねぇねぇ!」
「ん?どうしたの、スズ?」
「今日さ、風紀委員の人達って学校にいる?」
「ふ、風紀委員!?な、何で…?」
「ちょっと会いたい人がいてさ!」
「"会いたい人"?」
「まさかとは思うが、もしかしてお前の会いたい奴って…」
「うん!ヒバリンこと雲雀恭弥くんです!」
「えーっ!?ダ、ダメだよ!あの人は危険過ぎるって!!」
「10代目の仰る通りだ。お前なんかが行ったら、一発であの世逝きだぞ?」
終始あたふたしてるツナと、厳しい表情でタバコを吸う獄寺くん。
まさかヒバリンの名前出しただけで、こんなに態度に変化が起こるとは…
さすが風紀委員長…!
でもそんな風に言われても、会いたいもんは会いたいんだ!
せっかくREBORNの世界に来たんだもの!
記念に1発殴られるのも悪くない!!
「…ということで、応接室に案内してくれたまえ!」
そう言って、ブーブー文句を言う2人を何とか説得した私は、ついに応接室の前までやってきた。
入り口のドアは、下手したら校長室とかより立派なんじゃないかと思うほどしっかりしていて…
ここの主の権力の大きさを物語っていた。
それにしても、実際部屋の前に立ってみると、お腹の辺りからじわじわと恐怖が湧いてくるのを感じる。
さっきはテンションに任せてあんなこと言ったけど、私かなりヤバいことしちゃってるのでは…?
最悪、獄寺くんの言う通り、ヒバリンの姿を拝んだ瞬間にあの世逝きなんてことも…
そんな珍しくネガティブな方に考えていると、不意に頭の上に人の温もりを感じた。
温かさを辿りチラッと上を見れば、そこには私の頭に手を乗っけて苦笑いしてる獄寺くんの姿が…!
「何情けねー顔してんだよ、らしくねーな。何かあったら守ってやっから大丈夫だっつの。」
「獄寺くん…!」
「そうそう!獄寺くんの言う通り、そんな顔スズらしくないよ?頼りないけど、オレも頑張るからさ!ねっ?」
「ツナ…!」
優しい笑顔と声で、私の顔を覗きこみながらそう言ってくれるツナ。
乗せていた手でワシャワシャと頭を撫でてくれる獄寺くん。
私の超個人的なわがままに付き合わせてるのに、2人とも何て優しいんだろう…!
お姉さん、また感動しちゃったよ!もう大好きだー!!
「…2人とも、ありが「ねぇ、そこで何してるの?」
「「「!」」」
私の心からのお礼をバッサリと遮ったのは、他の誰でもないあのお方。
あの、並盛一の強さを持つ風紀委員長様だった。
しかし委員長を見たとき、私の中にはさっきまで抱えていた恐怖ではなく、こっちの世界ですっかりお馴染みになったあの厄介な感情が生まれていて…
「! おぃスズ、ちょっと待っ「キャー!!ヒバリンだーっ!」
「「遅かった…」」
「本物だー!!うわ…!キレイな顔してるね!学ランも似合ってるし、最高にセクシーだよっ!!」
「…突然何なの?咬み殺すよ?」
「名言出たー!!一体何人の女性達が、あなたに咬み殺されたいと思ってるか知ってる!?
もうね、星の数以上にいるんだよ!?本当にヒバリンの人気はすごいんだから!!」
「スズ!その辺にしとけ!!」
獄寺くんのその声でハッと暴走状態から目覚めると、私はいつの間にか彼の腕の中にいた。
これはこれで嬉し過ぎて鼻血が…って、違う違う!そうじゃなくて!
必死に頭を切り替え、自分が今までいた場所を見れば、そこにはヒバリンがトンファーを持って立っていた。
つまり獄寺くんに助けてもらってなかったら、私は今頃ボコボコにやられていたということ…
おいおい、怖すぎるよ!!
ちょっと想像してた以上に恐ろしい方だよ、委員長様…!
「次何か喋ったら…本当に咬み殺す。」
冷たい声と眼差しでそう言い、ヒバリンは応接室へと入っていった。
うー…私、第一印象最悪じゃん。
「…おぃスズ、平気か?」
「! あ、うん!助けてくれてありがとう、獄寺くん!」
「スズ、大丈夫だった!?」
「うん、何とかね…!ご心配おかけしました…」
そう言って下げていた顔を上げれば、心配そうな、でも柔らかい表情のツナと獄寺くんの姿があった。
本当2人がいてくれて良かった…!
「2人とも、本当ありがとね…!」
「ううん!無事で良かったよ。ねぇ、野球部も終わったみたいだしもう行かない?ここにいると、また何かされるかもしれないし!!」
「そ、そうだね!行こう行こう!…あれ、獄寺くん?」
私とツナが早々に立ち去ろうとしているにも関わらず、獄寺くんはずーっと応接室のドアを睨んでいて…
大好きな10代目が声をかけても、なかなか動こうとしなかった。
「待って下さい、10代目!あんな奴、オレが「「ダメ!!」」
「うっ…」
ツナと2人で戦う気満々の獄寺くんを何とか止めて、私達は逃げるようにその場を去った。
だからヒバリンの口から私の名前が出てたなんて、このときの私は想像すらしなかったんだ…
「スズっていうんだ、あの子。僕のことあだ名で呼ぶなんて…いい度胸してるね。」
to be continued...
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