-side 雲雀-

スズと別れた後、突き止めた敵のアジトに乗り込んでみれば…そこにいたのは思ってたよりも数段弱い奴らばかり。

僕の強さは十分知ってるはずなのに、スズは何をあんなに心配してたんだろう。


あ、スズといえば…僕からの伝言、ちゃんと聞いたかな。

"治療しに、すぐ行くから"なんて、本当危なっかしいんだから。

…まぁそこが、僕がスズを気に入ってる理由の1つではあるんだけどね。

そんなことを考えながら、向かってくるあまりにも弱い草食動物達を倒しつつ僕は奥へ進んだ。


ねぇ、スズ。

あの心配は本当に何だったの…?





標的27 六道 骸





それからしばらく進むと、ようやく敵のボスがいる場所まで来た。

イタズラの首謀者であるその男は、ソファに座ったまま僕に話しかけてくる。

"君の街の新しい秩序になる"と。


僕の他に、並盛の秩序はいらない。

決めた…こいつはここで咬み殺そう。

スズも、僕が秩序の方がいいでしょ?


「座ったまま死にたいの?」

「クフフフ。面白いことを言いますね。立つ必要がないから座ってるんですよ。」

「…君とはもう、口をきかない。」

「どーぞ、お好きに。ただ…今喋っとかないと、2度と口がきけなくなりますよ。」

「!」


そのとき突然、僕の体に異変が起きた。

暑くもないのに汗が出て、寒くもないのに体が震える。

おまけに足元まで覚束ない。


「んー?汗がふきだしていますが、どうかなさいましたか?」

「黙れ。」

「せっかく心配してあげてるのに。ほら、しっかりしてくださいよ。僕はこっちですよ。」

「!!」


目の前の男が"心配"という言葉を口にした瞬間、あの時の…スズの言葉が頭に浮かんだ。


"体調が悪くなったら、絶対に無理しないで?"

"恭弥…ある特定の花見ると、具合悪くなるでしょ?"

"だから…油断しないで!あと、無理もしないで…!"


スズの言葉からすると、僕のこの体調の変化は恐らく"アレ"が原因…

でも、普通この時期には咲いてないはず。

じゃあ何で…?


「海外から取り寄せてみたんです。クフフフ。本当に苦手なんですね……桜。」


男がスイッチを押した瞬間、その部屋の明かりが一斉に光を放つ。

そしてそこには、季節外れの桜が満開に咲き誇っていたんだ。


ねぇ、スズ。

スズが心配してたのは…このことだったんだね。



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