獄寺が黒曜中の柿本と遭遇し、戦い始めたのと同じ頃…

彼を探すため学校から商店街の方へ走るツナと、雲雀のいる黒曜センターから同じく商店街に向かっていたスズ。

2人の合流まで、あと少し…





標的28 獄寺隼人 VS. 柿本千種





隼人に電話をかけた後、10分ほど走っただろうか。

私はようやく並盛商店街に到着した。

あとはツナを探さないと!…なんて思っていた矢先。


「スズ!」

「! ツナ!合流できて良かった…!」

「どこもケガとかしてない?」

「うん、大丈夫。ありがとう!ツナも平気?」

「うん!」

「良かった…!今どういう状況!?」

「えっ、今?今は…」


その言葉に続いてツナの口から発せられる出来事は、やっぱり私の知ってる漫画通りの展開だった。

フウ太が作ったランキング通りに人がやられてること。

その目的がツナを探すためだということ。

ランキングの順番としては、今度狙われるのは3位の人だということ。

そして…それが隼人だということ。


「…それでツナは今、隼人を探してるとこってわけか。」

「うん!スズも手伝ってくれないかな?」

「もちろん!そのために来たんだから!」

「えっ?そのためって…スズ、こうなるって知ってたの?」

「! いや、その、えーっと…」


何とか弁明しようとしたけど、突然のことに頭が真っ白になって何も出てこない。

こっちに来た時、ここが私の世界では漫画になってるって話はした。

だけどどこまで知ってるとか、ましてや未来を知ってるなんてこと…あの時は言えなかったんだ。

今思えば、1番に言わなきゃいけないのはこのことだったんじゃないかって、かなり後悔してる。


でもこのまま隠し通せるわけないし、それにツナに隠し事するの嫌だし…!

そう思い、私は全てを話すことにした。

漫画になってるこの世界の未来を、少しだけど知ってるってことを…


「えっ!じゃあ今から起こることも…?」

「うん、分かるよ。誰がどこで、どんなケガをするかも。」

「そんなことって…!」

「ごめんね。せっかく友達だって言ってくれたのにこんな奴で…軽蔑して当然だと思うから、これからは少し距離とって「嫌だ。」

「え?」

「そんなの嫌だよ!!そんなことで、簡単にスズと離れたくない!」

「! ツナ…」

「"こんな奴"って言うけど、スズは全然そんなんじゃない!だって…スズは戦ってるじゃん。」

「私が…?」

「うん。そんなツラいもの背負ってるのに、いつも笑顔でオレらに元気をくれる。それって戦ってるってことじゃないかな?」

「…」

「今だってそうだよ。今だって、逃げないでオレを助けようとしてくれた!

 これからケガする人を無視しないで、治そうとして立ち向かってるじゃん!」

「ツナ…」

「だからオレはスズの友達やめたり、スズから離れたり…そういうことしたくない!!」


真っ直ぐに私を見つめながらそう言ったツナの言葉が胸に染みわたる。

私、これからもツナの友達でいて良いんだ…


「ありがとう、ツナ…!」


今にも溢れそうになる涙を堪えながら、私はツナに笑顔を向けた。

そうすれば、それに応えるように彼も微笑んでくれて…

商店街のど真ん中で少年少女が笑い合ってる画は、周りから見たらきっと滑稽なものだと思う。

でも笑わずにはいられなかった。

だって今、こんなにも幸せな気持ちだから…!



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