カートリッジを巧みに変えて攻撃してくる犬ちゃんに、体を庇いながら戦う武は押され気味。
目前に秋の大会を控えている今、ケガなんかするわけにはいかないもんね…
「逃げてばっかじゃん。もしかしてオレ相手に持久戦にもちこもうとしてんの?」
「いやー、そーゆーわけじゃねーんだが…秋には、マフィアごっこ以外にも大事なもんがあってよ。」
「わけわかんねーぞ、ボケ!」
武がちゃんと大会に出れると分かってる私でも不安なのに、ツナは一体どんな顔をしてるのかと横を見れば…
私以上に青ざめた顔をした少年がいた。
「やばいよ!!こんな所に山本連れてきちゃいけなかったんじゃ…!」
「そんなに心配なら、おまえが助ければいいだろ?」
「?」
「いってこい。」
そう言って穴の中に落とされるツナ…と私。
……私!?えっ、嘘!何で!?
落ちながらよく見てみれば、私の服の裾を掴んでいるツナの手があった。
「ちょっと、ツナ!!な、何で私の服掴んでんのよ!!」
「ご、ごめん!つい助け求めちゃった!!」
「"つい"じゃないでしょ!って…ギャー!!」
「うぎゃあああ!!げふっ!」
そして私達は、見事に顔面から着地した。
よく死ななかったな…てか、顔痛すぎる!!
「いで〜…死んだかと思った〜…」
「…もう私、お嫁に行けない…!」
「ツナ!スズ!」
「んあ?さっきの変な奴と…もう1人は誰ら?ザコのお友達れすか?よーし。山本逃げるし、さきにウサギを狩っとくかな〜」
「な!!」
「いったらっきまーす!!」
そう言いながらこっちに突進してくる犬ちゃん。
さっきまでの可愛らしい顔とは違って、その姿は完全に獣だった。
しかし私達のところへ辿り着く前に、彼の頭へ石ころがヒットする。
投げたのはもちろん…
「おまえの相手はオレだろ?こいよ、こいつぶちあててゲームセットだ。」
「た、助かったー…山本ー。」
「ハァ…怖かった…」
「スズ平気か?…もうすぐ終わるからな!」
「うん…!」
「ほへー挑戦状だ。」
しかし続いて武が投げた石は当たらず、それを避けた犬ちゃんがチーターのカートリッジをつけ武に向かっていった。
そして野球を愛する彼にとって何よりも大事な手に、犬ちゃんが噛み付く寸前…
私は無意識のうちに彼の名を呼んでいた。
「…犬ちゃん、やめて!!」
「!」
「(? 噛む力が弱い…)その程度の攻撃じゃ、オレは倒せないぜ!」
左手を犬ちゃんに噛ませたまま、右手に持っていた刀の柄で相手のこめかみを殴る武。
そして"キャン"という痛々しい声と共に犬ちゃんは倒れた。
相手が倒れ動かなくなるのを確認した後で、武はグッと自分の左腕をおさえる。
そこからは絶え間なく血が流れていて、なかなかの重症に見えた。
私は自分の顔の痛さも忘れ、背負っていた救急セット入りのリュックを開けながら彼の元へ駆け寄った。
「武!!」
「おースズー。顔平気か?」
「私なんて全然…!それより腕見せて!」
"ごめんね…"と呟きながら彼の左腕の止血をしていると、ツナも青ざめた表情のままこちらへ来た。
そして私と同様、武に謝罪の言葉を伝えたんだ…
「ごめん、山本!!オレのせいで腕を…野球あんのに!大会あんのに!!」
「おいおい、かんべんしてくれよツナ。いつの話してんだ?」
「へ?」
「ダチより野球を大事にするなんて、お前と屋上ダイヴする前までだぜ。」
「や…山本…!」
「それにこれぐらいのケガじゃ、余裕で野球できるぜ。」
「すげぇ!!」
「だからスズも、そんなに暗い顔すんなって!」
「うん…」
「…スズ、オレ今頑張ったよな?」
「え、あ、うん!もちろん!!」
「だったらさ、ご褒美にスズの笑った顔見てーんだけどな〜」
そう言いながら私の顔を覗き込む武は、すごく穏やかに笑ってて…
その笑顔を見てたら、私もいつの間にか笑ってた。
もう本当敵わないな、この子には…!
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それから何とか地上に上がった私達は、リボーンから1枚の写真を見せられる。
そこには柄の悪そうな3人の男性が写っていた。
「ディーノの情報によると、今倒したのが主要メンバーの城島犬だ。この写真を見てみろ。」
「これが敵の3人組!?」
「ああ、真ん中の奴が六道骸だ。」
違う。
真ん中にいる人の名前は、それじゃない。
彼の名前は…
to be continued...
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