ルール説明も終わり、あとは組み分けをしてスタートを待つのみとなった。
いつもの筋トレをしながら、無陀野は最後に自身のハンデについて触れる。
「俺は血を使わないが、お前らは好きにしろ。ただお前らが暴走したら、俺も血を使う…1」
「あんたを殺しちまったら?」
「(! あの金髪少年すごいこと言うな…よっぽど自信あるんだな〜)」
「血ぃ使わない舐めプして向かってくるならそーなるぞ?」
「殺す…か。殺す気で構わない。もし殺せたら即卒業。希望の部隊に所属させてやる」
その一言に、一ノ瀬以外の面々は色めき立つ。
皆それぞれ目的があり、それに少しでも早く近づこうと思っているのだ。
スズの仕事は、そうやって前線に出て行く仲間達を支え、治していくこと。
どの部隊に所属しても、戦っていることに変わりはない。
「お前らも目的があってここにいるんだもんな。成し遂げたいなら、勝ち続けろ。
これから何回もお前らに壁をぶつける。乗り越えられない奴は散るだけだ。覚悟はできてるみたいだな、少年少女」
「…」
「1人違うみたいだが…やめるか?」
「…ふざけんな!男が本気でぶつかってくるなら、こっちも本気でやるのが筋だろ…!」
「それじゃあ組み合わせを発表する。1組目は…」
そうして発表された組み合わせはこうだ。
1組目:屏風ヶ浦 帆稀、一ノ瀬 四季、皇后崎 迅
2組目:矢颪 碇、遊摺部 従児
3組目:手術岾 ロクロ、漣 水鶏
スズはここで初めて、同期全員の名前を知ることができた。
普通なら一番最初にやるはずの自己紹介すらしていないことに、改めてここが普通の学校じゃないことを痛感するのだった。
組が分かれれば、普通はそのメンバー同士で少し会話をするだろう。
だがそれをしているのは、1組目の一ノ瀬と屏風ヶ浦だけだった。
2人が何だか楽しそうなやり取りをしている一方で、他の面々はいたって静かだ。
そんな中、1人の人物がスズに声をかけてくる。
「あの…天使さん」
「ぶふっ!ち、違うから!それ名前じゃない!」
「え、そうなの?」
「そう。あれは…あだ名みたいな感じ!木下スズです。よろしくね、ロクロ君」
「うん。スズさんって…何でも治せるの?」
「外科的な方なら。だから手足が千切れたら言って?すぐ治すから」
「ひぃ…!」
「お前、全然戦えないって言ってたけど…私が守ってやらないとすぐ死ぬってことか?」
「まぁ…体術しかできないからね。皆よりは早く死ぬかな。っていうか水鶏が守ってくれるの?」
「しょうがねぇなぁ」
何故か嬉しそうな表情を見せる漣に、スズと手術岾は頭に"?"マークを浮かべる。
と、そこへあの冷静な声が聞こえてきた。
「お前らが入った15分後に俺が入る。スズ!お前も準備しろ」
「私も?あ、はい!」
「それではスタート!」
その声を合図に、1組目の鬼ごっこが始まった。
to be continued...
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