時は少し遡り、鳥飼が桃太郎と戦っている時のこと…

研究所から立ち昇る爆発の煙を見つめる集団がいた。


「煙出てんぞ?」

「鬼國隊が動いたか」

「スズさんと矢颪君、大丈夫かな?」


崖の上から研究所を見下ろすのは、無陀野率いる羅刹学園のメンバーだった。

途中の村で娘を助け出したい男と出会い、総勢8人の大所帯だ。

突入するにしても、しっかり作戦を立てないと芋づる式にやられてしまう。

まずは遊摺部が自身の能力で研究所内の様子を探った。


「あの研究所、凄い桃の数です。鬼の反応もあるので、鬼國隊かと思います」

「娘は!?捕まった奴らは!?」

「……あ!鬼の反応が集まってる所があった!」

「マジ!?」

「…けど重なってて階数とかがわからない…!でも鬼の反応に重なる生物反応がないから、捕まった鬼はたぶん最上階付近にいると思います!」

「じゃあとにかく上目指せばいいのか」

「先生、少し離れた位置に1人鬼の反応があるんですが何でしょうか…?」

「(2人なら片方はスズだと思ったが…1人ということは、スズは中に入ってるとみて間違いない。まぁ能力的に当然か…)

 恐らく鬼國隊の一員だろうな。援護要員の可能性が高い。遊摺部はそっちの鬼に接触しろ。

 もし遊摺部の能力に役立つ奴なら応援を頼んでみろ。敵意を見せた場合は逃げて、安全な場所で待機だ」

「わかりました!」


そうして指示を出しながら、無陀野は木の皮を削り取って丸めると、上空に向けて投げつける。

他の誰一人として見えていなかったが、彼が投げた木屑は敵が飛ばすドローンに見事直撃した。


「それと1つお前らに言っておく。…敵はすでにこちらの存在に気づいている。気を引き締めろ」


無陀野の一言に、生徒たちは今一度気合いを入れ直すのだった。

そして別行動をする遊摺部を送り出し、いよいよ本拠地へと乗り込む時が来た。


「正面から行く。この人数で隠密は不向きだ。1階部分から煙が出ている。恐らく誰かが戦ったんだろう。

 闇雲に捜すより、気になる所から捜す方が早い。敵は大人数、覚悟しろ」

「なぁムダ先」

「何だ?」

「…スズ、大丈夫だよな?ケガしたり、戦いに巻き込まれたり…そういうの、ないよな?」

「それは分からない。能力的にはもちろんだが、遊摺部の位置情報を考慮しても前線に出てることは間違いないだろうからな」

「そっか…」

「スズはそんな簡単にやられるような奴じゃない。お前らよりよっぽど実戦経験は豊富だ。

 それに鬼國隊もいるからな。あいつらの敵はあくまで桃太郎。鬼を守るという部分に関しては信頼していい」

「おう…!何にしても、俺らが1分でも早く合流すればいい話だよな!」

「そうだ。分かったらさっさと行くぞ」


仲間と鬼を助けるため、羅刹メンバーが研究所での戦いに参戦した。



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