皇后崎と別れたスズは、次の応援要請があるまで2階へ戻ることに。

血を使って不破と囲に連絡を入れれば、2人の嬉しそうな声が聞こえてくる。

"迎えに行く"という囲の言葉を最後に一旦通信を切り、スズは駆け足で下へと続く階段を目指した。

階段を降り、踊り場に着いたタイミングで、下のフロアから見慣れた顔が現れる。


「スズ」

「岬さん!お迎えありがとうございます!」

「! ……今の顔はアウトでしょ」

「へ?何か変な顔しましたか…?」

「うん」

「え〜そんなつもりなかったんですけど…」

「ふっ。嘘、してないよ」

「でもそれに近い顔はしてたんですよね?」

「ううん。俺が好きな表情だったからドキッとしただけ」

「なっ…!」

「(分かりやすいな〜)ほら、顔赤くしてないで行くよ」

「岬さんのせいじゃないですか!」

「ごめんごめん」

「それ謝ってないですから!」


不破がいる研究室へと歩きながらそんな会話をしていた2人だったが、スズの言葉を受けて不意に囲が立ち止まる。

急に止まった彼を追い越してしまい、スズは慌てて振り返った。


「岬さん?」

「…じゃあどうしたらいい?」

「ん?」

「キスしたらさ、許してくれる?」

「な、何言ってるんですか急に…!」

「だって言葉だけじゃ足りないって言うから」

「さっきのは、そういうこと…じゃなくて!」

「俺…スズとならキスしてもいいよ?」

「えっ!?」

「どうする?不破っちもいないし……する?」


気づけば壁際に追い込まれ、壁ドン状態で会話をしていたスズ。

至近距離で見る囲の表情は、年齢が近いとは思えないほど色気を含んでいて…

どうしたらいいか対応を決めかねているスズを他所に、囲は端正な顔を近づけてくる。

スズは最後の気力を振り絞って、"ダ、ダメです…!"と自身の顔を手で覆った。


「…するわけないでしょ」

「へ?」

「俺のこと見つける前の表情が硬かったから、ほぐしてあげようと思って」

「じょ、冗談だった…ってこと、ですか?」

「そういうこと。…うん、だいぶ表情戻ったね」

「もう…本気かと思いましたよ…!」

「時にはこういう演技力も必要だから。あ、でも…」

「ん?」

「キスしてもいいって思ってるのは…本当」

「!」

「ふふっ。そんな赤い顔してたら、また不破っちにからかわれるよ?」


何か言いたげなスズを面白がりながら、囲は彼女の手を取って歩き出す。

研究室に到着した時、不破の第一声が"顔赤っ!"だったのは言うまでもない。



to be continued...



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