体にかかるGを感じ、反射的に矢颪の腰にしがみつくスズ。

楽しそうな2人とは対照的に、彼女の表情は必死そのものだった。

迎え撃つ双子の桃太郎・桃ノ木一成と二成は、バイクに乗った3人に強烈な蹴りをくらわせた…はずだった。


「残像に蹴り入れてどうした?違法な物やって幻覚でも見たか?」

「じゃあチンピラはあっちだなぁ」

「てことはそれを追いつめる俺らは警察ってことか?」

「おいおいガラじゃねぇなぁ」

「全くだ!」

「(今2人とも絶対悪い顔してるよ…!)」

「スズ、少し顔上げてみ!」

「えっ…」

「大丈夫!俺が後ろから支えてっから!」

「……うわっ!すごい!」

「気持ちいいっしょ?」

「うん!これはハマっちゃうかも…!」

「だろ?ひゃっはー!最高だな!」

「あぁ…最高だろ!」


猛スピードのバイクを操る矢颪と、その上で何の影響もなく銃をぶっ放す一ノ瀬。

2人のコンビネーションは、双子を見事に圧倒していた。

そんな状況に焦りを感じた彼らは、自身も奥の手を引っ張り出して対抗する。

足にターボをつけた双子と距離を取るように外へ出た矢颪たちは、追いかけてくる敵を一直線の廊下で待ち構えた。

そしてバイクの前面を銃口のように変化させたかと思えば、逃げ場のない双子目掛けて発射するのだった。


「なんだよ、まだいろんな性能あるのによぉ。へばるのだけははえぇな」

「俺らとやり合うのも100年早かったな」

「ちげぇねぇ」

「2人ともお疲れ様!」

「「おう!」」


スズの言葉に揃って言葉を返す男性陣は、とてもいい笑顔だった。

場が落ち着き、バイクを降りる一ノ瀬に矢颪は真面目な顔で言葉をかける。


「四季…お前は死んでくれるなよ」

「俺は死なねぇに決まってんべ?」

「「…」」

「はは…」

「へっへっへ…恥っず…!」

「だな!」

「ふふっ。大丈夫、私が絶対死なせない」


同じようにバイクを降りながら、スズは芯のある声でそう告げた。

その強い意志を感じ、一ノ瀬と矢颪は目線を交わす。


「なら俺らは、お前のこと絶対守る」

「スズには傷一つ負わせねぇから安心して!」

「ありがとう…!」


同期からの想いに応えるように、スズはまた満開の笑顔を見せた。



to be continued...



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