遊摺部の声かけで教室に集まった生徒たちは、無陀野から杉並の現状について聞かされる。

合わせて遊摺部の妹についても…

話が終わると各自すぐに支度を整え、ステルス加工された船へと乗り込んだ。





第66話 集合





「こんな堂々と船乗ってるけど、マジで見えてないのな」

「羅刹の他の先生の能力で完璧に見えないようになってるからね」

「他の先生って見たことねぇな」

「広いしな羅刹は」

「…スズも、見たこと、ねぇの?」

「うん、ないかも。ヤバイ先生だったりしてね!」

「! 確かに!」


スズとの関わり方を悩んでいた一ノ瀬の態度は、いつもよりもどこかぎこちない。

だが返って来たいつも通りの明るい笑顔に、彼はホッと胸を撫で下ろした。

不意に保健室で花魁坂から言われたことが思い出される。


「(違う…俺の大好きなスズは、そんな子じゃない)」


彼女に対する想いに少し整理がついた一ノ瀬は、どこかスッキリした表情で前を向くのだった。


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場が一旦落ち着くと、話題は当然のことながら遊摺部の方へと移る。

一ノ瀬が話しかけたことをキッカケに、彼は静かに自分のことについて語り始めた。


「気を遣わせるから言ってなかったけど、妹は体が弱いんだ…治療しながら母さんと生活しててね…

 僕の能力は戦闘向きじゃないけど、妹を守るために強くなりたくて羅刹に入ったんだ。

 けどなんで…杉並が…やっぱり地方に行かせておけば…皆もごめん…巻き込んじゃって…」

「助けるに決まってんだろ!」

「お前今、血蝕解放できねぇのに?」

「うっせぇ!」

「私も治療の方で役に立てるなら、いくらでも力貸すから!」

「ごめん…ありがとう…」


そう言う遊摺部の顔は、船が出航してからずっと浮かないままだった。

同期のために出来る限りのことをしたい。

同じ気持ちを抱いた一行を乗せ、船はようやく目的地へと到着した。

そして迎えに来ていた隊員に連れられて、静かに地下へと入って行く。

前回と同様の道のりを経て、スズは再び杉並区鬼機関へとやって来たのだ。



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