「先生!早く来てください!スズちゃんはもう治療始めてますよ!」

「へいへーい」

「スズそこにいんの!?」

「ん?羅刹の生徒たちね?早く着替えて手伝いなさい!」


看護師にそう言われ、作業着に着替えたワンパクキッズ達。

スズがいると聞いた一ノ瀬は、我先にと部屋へと入って行った。

すぐにでも声をかけようと思っていた一ノ瀬だったが、現場のあまりの凄惨さに言葉が出ない。

中にはたくさんの負傷した鬼達が横たわっており、その中の1人の元で治療にあたっているスズの姿があった。


「なんだ…ここ…」

「京都中の負傷した鬼がここに運ばれてくるんだよ」

「げほ!がは!」「うぅ…」

「多くは今起きてる戦争で負傷した鬼たちだね」

「先生!こっちです!」

「「「!?」」」

「この方たちは戦闘隊員で、さっき運ばれてきました!両腕両足欠損、肺も広範囲に負傷しています。

 どちらもあと3分が限界かと…1人は先程からスズちゃんが診てくれてます」

「スズ、体調は大丈夫?」

「はい!心配かけてすみません」

「ううん、顔色が戻って良かったよ。治療方針は?」

「こちらの方は脚を治して欲しいということなので、これから肺と両足の生成に入ります」

「了解!そうそう、同期の子たち来てるよ」

「さっき無人先生に聞きました!みんな〜!何か久しぶりな感じする」


同期に笑顔を向けたスズは、すぐに表情を切り替えて患者に向き合う。

人差し指につけた指輪に仕込んだ刃を出すと、それで自分の血を流し始めるスズ。

彼女から流れ出た血はドクドクと患者の体内に入り、中で肺を生成し始める。

そうして自発呼吸ができるようになった患者に対し、今度は足元に血を流して両脚の生成を始めるのだった。


「…よし!脚どうですか?動きます?」

「あぁ、動くよ…!ありがとう…!」

「…スズの能力を見るのは初めて?」

「あ、あぁ。初めて…見る」

「すごいでしょ」


自慢げにそう言う花魁坂の声が届いているのかどうか分からない程、同期たちはスズの力に驚きを隠せない。

自分達とは全く違う血の能力を目の当たりにし、揃って目を奪われていた。

そんな生徒たちを満足そうに見つめていた花魁坂は、次は自分とばかりにもう1人の患者へと向き合った。


「大丈夫っすよ旦那!死なないし、死なせないっす!」

「おい…!どう考えても無理だろ…!無責任なこと言ってんじゃねぇよ…!」

「優しいね。四季君だっけ?俺こう見えて結構偉いのよ。偉いのは理由があるっつーわけ。じゃあ職場体験を始めようか」


傍で見守るスズに微笑みかけながら、花魁坂は無陀野の生徒たちにそう告げるのだった。



to be continued...



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