-side 皇后崎-

一瞬目の前が暗くなったかと思えば、気づいた時には俺は瓦礫の下に埋もれてた。

体のどっかが挟まって身動きが取れねぇ。


「マジかよおい!生きてるか!?」

「生きてるよ、うるせぇな!」

「皇后崎君…待ってて!すぐそっち行って治療するから!」

「いい!お前らは早くその子外に連れてけ!いつ崩落してもおかしくねぇ!」

「わかった!すぐ戻る!スズ、行こう!」

「…うん。すぐだから!待っててね、皇后崎君!」


2人の声が遠ざかっていく。

暗くて狭い場所は、どちらかと言えば得意な方だ。

普段の状態なら、多少動けなくても余裕で脱出できる。

でも今は…


「(くそ…めまいが酷くて血が操れねぇ…)」


さっきまではあいつが血を入れ替えてくれてたから、喋ったり立ったりっていう当たり前の行動ができてた。

その支えがなくなった途端にこのザマかよ…

すぐ戻る…か。馬鹿だなあいつら…

あいつらに何のメリットがあんだよ…

第一、ここに来るのもあいつらにとっちゃ関係ねぇのに…どうかしてんな。

思えばあいつらには助けられてばっかだ…本当に自分に腹が立つ…


「(情けねぇ…)」


今までずっと1人で生きてきた…死ぬ時も1人でいいと思ってる。

誰かに助けてもらうなんて、死んでも嫌だと思ってたし…

誰かが助けてくれるなんて考えすら俺の中にはなかった。

…そう思ってたはずなのに…俺はどーしちまったんだ…?


「なんだよクソ…生きてんのか」「良かった…!」

「(こいつらなら助けに来ると思っちまってる…)うるせー…死ぬかよボケ…」

「もう少し頑張って、迅!すぐ治療するからね!」

「(! その呼び方で呼ばれたの…何年振りだ…)ならさっさと出せ…」

「天使にそんな口のきき方してっと埋めちまうぞ、お前。…外、消防車とか野次馬ですげぇから、ササッと逃げんぞ」

「ありがとな…」


四季に肩を借りて歩きながら、ボソッとそんな言葉が出る。

この馬鹿には聞こえなかったみてぇだが、俺の隣を歩くもう1人の奴には聞こえたらしく…

小さい声で"どういたしまして"って言いながら笑いかけられて…何か心臓の辺りがザワザワした。

それが気に食わなくて、俺は隣の奴の鼻をギュっとつまんでやった。


「痛っ!ちょっと、急に何すんの!」

「おい、スズに触んなよ!」

「だったらちゃんと支えろボケ」

「叩きつけんぞクソが」

「ケンカしないよ〜」


誰かに頼るなんて死んでも嫌だと思ってた…

けど…

頼れる奴がいるってのも悪くない…



to be continued...



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