すっかり和やかな雰囲気になった広間では、スズが生み出した品々を肴に語り合う大人2人の姿があった。

あまりに楽しそうに話しているので、邪魔をしてはいけないとスズは隣に大人しく座っていた。

と、その時…

不意に廊下の方から人の気配を感じ、スズは体を強張らせる。


「ひっ…!」

「ん?どうしたスズ…はぁ〜全く…お前達!何をしておる!」

「あ、兄上!見つかってしまいました…!」

「日向が暴れるからであろう」

「入りたいならそう申せ。突然来るからスズが驚いてるではないか」


襖の向こうから現れたのは、整った顔立ちをした2人の兄弟であった。

幼いながらに風格が出始めている兄・文月と、女子のような可愛らしさを持つ弟・日向。

帝の面影を残す彼らは、暁の子供達であった。


「申し訳ありません、父上。日向がどうしても…と聞かなくて」

「兄上だって、見たいと言っていたではないですか!」

「すまぬな、スズ。上の息子はそなたと同じ歳だ。立場上、この者達も友人が少ない。弟共々、仲良くしてもらえると嬉しい」

「あ、は、はい…!」

「スズと言ったか。そなたの力は素晴らしい。とても興味がある」

「僕もです!もっとたくさん見せてください!」

「はい!よ、喜んで…!」


両親以外から初めて自分の能力を褒められ、この日1番の笑顔を見せるスズ。

すっかり親子3人に気に入られた彼女は、その後もしばらく術式を披露し続けた。

力を使うことによって疲れは当然あるだろう。

だがそれを補って余りあるほどの喜びを感じている娘を見て、父は目頭が熱くなった。

スズと文月が6歳の時のことであった。







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