01
可愛い嫁
一*******
──そんな出来事から1ヶ月後。
既に美亜は俺のアパートに居て、高校に通いながらも…時間の許す限りは "炊事・洗濯・掃除" ──全てを頑張ってくれていた。
そして、今俺は… "珍しい" と言っても過言ではない会社での昼休憩を過ごしていた。
目の前には同期で1番仲良しの英司がいる。
「……は?」
社内食堂にて──昼食を食べ始めてすぐ俺のある部分を確認してから…"前までなかったもの" に気付いた英司に問い質され、それになんの
「…なんて?」
「だから、結婚した。」
「はあ?誰と?」
「美亜」
「え?美亜って…爽介の幼馴染みの?」
「あぁ。」
「え、なにそれ!美亜ちゃんって幼馴染みだろ?付き合ってたわけじゃねぇんだろ?…え、え、意味わかんねぇ!!」
英司は周りのことなど気にせずにそう捲し立てるように言葉を紡いだ。
まあ英司のリアクションが大きいのはいつものことだから俺は特に気にしてないんだけど。
それはそうと少し前まで俺になかったものとは……左薬指に嵌めている指輪だった。
もちろん俺が美亜とお揃いで用意したものでまだ婚姻届を提出しただけで式は挙げてないけれど、正真正銘の結婚指輪である。
「…信じられねぇ!そんな急な展開あり?!」
「まあ俺も急に言われた時はビックリしたけど、相手は美亜だから結婚した。」
「…は?爽介、美亜ちゃんのこと…」
「好きだよ、ずっと昔から。」
英司に美亜への気持ちを聞かれて思わず俺はそう答えていた。
まだ美亜本人には一度も打ち明けたことのない気持ちを──。
「…初めて聞いた!」
「俺も今初めて言った。」
「…だからか!今まで、合コンとか誘っても来てくれなかったの。」
「……。」
英司の "合コン" の言葉には何も返せなかった。
別に美亜が好きだから合コンに参加しなかったことは関係ない。
もちろんこの歳になるまでは数人の女と付き合った。
ただ、いつも長続きしなくて…いつしか──美亜以外の女はどうでもよくなってただけ。
「…会ってみたいな〜。」
「…は?」
「美亜ちゃんに!」
英司は美亜に会ったことはない。
美亜の話は何度かはしたことはある。
─とはいっても "幼馴染みがいる" ってくらいの感じだけど。
だからちゃんと美亜のことを話したのは今が初めてに近いかもしれない。
「……また今度な。」
俺がそう答えると英司は嬉しそうに定食のおかずとご飯を一気に喉に流し込んでいた。
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