01

可愛い嫁




ソファーに俺と美亜が隣に並び、その向かい側のテーブルを挟んだ床に理緒、というカタチで座った。

そして、話を切り出したのは理緒だった。


「…で?どういうことか説明して!」


理緒はそう命令口調で言葉を発してきた。


まあ確かに理緒はあの家にはずっと居なかったわけだし俺と美亜が結婚したことなんて知らないだろう。

だから俺は美亜の父親が急遽転勤になってしまったことから美亜と結婚するきっかけとなった話の全てを理緒に打ち明けたのだった。


理緒は俺の話を黙って聞いていたが、途中からは徐々に表情が変化していき…話が終わった頃には…正に "キラキラ" と目が輝くような…そんな表情になっていた。

そして、理緒は急に立ち上がったかと思うと…
美亜を突然抱擁ほうようしたのだった。


「…へ?ちょっ、り、理緒さん?!」


突然抱擁ほうようされた美亜は動揺を隠せない様子で瞳をしばたたかせていた。


「やばい!ちょー嬉しい!みーが私の義妹いもうとだなんてー!」


理緒から発せられたのはそんな言葉だった。


まあ俺は理緒が美亜を抱擁ほうようした時点で何となくわかっていた。


昔から理緒もずっと美亜を妹のように可愛いがっていたし俺にも "耳にタコができるんじゃないか?" ってくらい "みー以外と結婚なんて許さないからね!" とかなんとか発言していたくらいだった。

もちろんその時、俺は適当に聞き流していたけれど。


ちなみに "理緒" なんて呼び捨てにしているけれど、理緒は俺の実姉あねである。

性格は母親似だからいつもこんな感じだ。


「…てゆうか、いつまで美亜に抱きついてんだよ。」


いまだに美亜を抱擁ほうようしたままの理緒にそう言葉を紡ぎ俺は美亜から理緒を引きがした。


「えーー?いいじゃないよケチーー!」
「はあ?ケチってなんだよ。てかお前は何しにここに来たんだよ!」


母親と全く同じような反応する理緒に呆れつつも理緒が俺のアパートに来た理由を尋ねた。

まあ理緒がここに来る理由なんて大体の予想はつくんだけど。


「あ、そうそう!聞いてよーそうすけー!ひどいのよー雅明まさあきのやつー!」


理緒はそう思い出したように言葉をつむぎ始め、しまいには散々悪口をぼやき出した。


雅明とは理緒の旦那の名前で俺の義兄あにでもあるからもちろん何度か会ったことがある。




そう、理緒がここに来る理由は大体が雅明さんとの喧嘩だったりするから本当に勘弁してほしい。

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