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可愛い嫁




今回はどうやら会社の飲み会に行った雅明さんが帰宅したらスーツに "女物の香水の匂いがした。" とかなんとか──そんな愚痴だった。


「…ってなわけで…今日から暫くここに泊まらせてもらうよ!」
「はあ?!」


散々愚痴った後に理緒はいつもどおりの台詞せりふをあっさりと言って退けた。


そう、理緒は雅明さんと喧嘩したら必ずと言っていいほど俺のアパートに来ては "暫く泊まらせてもらう。" と発言して来るのだ。


俺的には雅明さんが自分から女の人に近付いたとかはないと思うんだ。

雅明さんと理緒は大学時代からの付き合いで俺から見てても雅明さんは理緒のことを一途に想っていると思うのに…。


「ねぇ、お願い!暫くは本当に帰りたくないの!」
「そんなの知らねぇよ。今は美亜もいるんだし無理に決まってんだろ。」
「なによーケチねぇ!みーと結婚したこと私に隠してたくせにー!」
「別に隠してたわけじゃねぇよ。打ち明けるタイミングがなかっただけだ。」
「一緒じゃない!とりあえず本当に帰りたくないの!しばらく泊まらせてよ!」
「無理って言ってんだろ。ただでさえそんな広い部屋じゃねぇし美亜もいるんだし3人寝る場所なんてねぇんだよ。」
「私は別にどこでも寝れるわよ!」
「はあ?そういう問題じゃねぇよ!」


俺と理緒がそんな言い合いをしている頃美亜は台所に立って片付けをしてくれていた。

でも、あまり俺と理緒の言い合いたるものを見たことないだろうから驚いてはいると思う。


別に俺と理緒は仲が悪いわけではないのだが、性格が正反対のせいか昔からこんな言い合いは日常茶飯事だった。

だから俺と理緒にとっては珍しいことでもなんでもない。


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