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可愛い嫁




訪問者がわかっている俺はに立ち上がり、玄関へと向かうと美亜も台所から出て来て玄関に向かおうとしていたのを引き止めてから俺は扉をゆっくりと開けた。


すると、そこにいたのは…
予想通りの人物だった。


「爽介……ごめんな、夜遅くに…。」
「いえ、大丈夫ですよ。」
「本当にいつも理緒がごめん。…ところで、爽介の後ろにいる子は?」


いつも理緒が俺の家に来ることに謝罪をしてからふと俺の後ろにいた美亜に気付いたのか雅明さんはそう尋ねて来た。


「…あ、嫁の美亜です。」


俺がそう簡潔に答えると雅明さんの表情はみるみるうちに驚愕きょうがくのものへと変わっていった。

そして───。


「え?美亜ちゃん?嫁?…え、ええぇぇえ!?」


隣の部屋にまで響くんじゃないか─と思うくらいの声を張り上げる雅明さんに俺は思わず眉間に皺を寄せてしまった。

本当に夫婦揃って似たような反応をしてくれるからもう呆れるしかなかった。



「雅明さん、声大きいですよ。」
「あ、ごめん…驚いてつい…。それにしても爽介の嫁とは驚いたな。いつの間に結婚したの?しかも美亜ちゃんって…あの "みーちゃん" だろ?」

雅明さんの言葉に俺は否定しなかった。

雅明さんの言う "あのみーちゃん" とは間違いなく美亜のことだから。

まあ俺じゃなくてよく美亜のことを話していたのは理緒なんだけど。

雅明さんと理緒が結婚してから3人でよく会うこともあって理緒は度々美亜のことを会話に出していたんだ。


「爽ちゃん…。」


俺と雅明さんの会話を今まで黙って聞いていた美亜がふいに俺を呼んだから美亜の言いたいことに察しがついて俺は口を開いた。



「美亜、この人は雅明さん。理緒の旦那。」
「あ、初めまして!美亜です!」


俺が目の前にいる雅明さんを紹介すると美亜は自己紹介を始めた。


「こちらこそよろしくね、みーちゃん。」
「あ、あの…私のこと…知ってるんですか?」


美亜は雅明さんに唐突にそんなことを尋ねていた。

雅明さんが "みーちゃん" と呼ぶのと "あのみーちゃん" という言葉に不思議に思ったのだろう。


「いや、知ってるというか……理緒がよくみーちゃんのこと話してたから…名前だけね。」
「あ、そうなんですか。それで。」
「そう。あ、こんなことしてる場合じゃなかった!…ごめん…爽介、みーちゃん…上がらせてもらうね?」


そう言葉にしてから雅明さんは俺と美亜の返事も聞かずに靴を脱いで玄関に上がり、そのまま理緒のいる部屋に入って行った。

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