01
見えない気持ち
一******
「え?出張?」
翌日の朝、いつもどおりに早起きして2人分の朝食とお弁当を作り、爽ちゃんと朝食を共にしてから準備を澄まして爽ちゃんは会社へ─私は高校へと登校してお昼休みの時間──。
いつものように奈美ちゃんと教室で昼食を摂りながら昨夜、爽ちゃんから告げられたことを打ち明けていた。
「うん、昨夜突然言われちゃって…。」
「…そっか。でも、初めてじゃない?一緒に暮らし始めてからなかったんでしょ?」
「うん、初めてだよ。」
本当に初めてのことで昨夜もあれからあんまり眠れなくて……1週間とはいえ、1人になることを考えると淋しくてどうしたらいいのかわからなくて──そのまま朝を迎えてしまったのだ。
「仕事だから…
爽ちゃんが大学入学と同時に突然今のアパートに独り暮らしを始めてしまった時も近くに爽ちゃんがいないのが淋しくて淋しくて仕方がなかったけれど、時々爽ちゃんが実家に帰って来ていたから暫くしたらまた次会える楽しみのほうが大きくなって淋しいと思う気持ちは薄れていった。
だけど、今は爽ちゃんと結婚してもう当たり前のようにずっと爽ちゃんが傍にいる。
それがまた私の爽ちゃんと離れたくないという想いが強くなっていて…ほんの1週間でも爽ちゃんと離れることが淋しくて溜まらなかった。
「美亜、本当にあんたって…可愛いねー。」
奈美ちゃんはそんな言葉を発すると突然、私に抱きついてきた。
「な、奈美ちゃん?!」
「美亜は本当に昔から爽介さんに一途だよね。逆にそれが羨ましいわー。」
奈美ちゃんはそんな言葉を漏らしたけれど、私には "羨ましい" の意味が理解できなかった。
「美亜、スマホがあるでしょ。昔と今では爽介さんとの関係も変わってるわけだし淋しくなったら電話かメッセージしたらいいと思うよ。」
「え、でも、お仕事の邪魔にならない?」
「そりゃあ仕事で電話に出れなかったり…メッセージの返事も遅い時はあるでしょ。でも、美亜から電話かメッセージくれたら爽介さんも嬉しいと思うよ。」
「本当??じゃあ淋しくなったら電話かメッセージしてみようかな…。」
「うん!後、連絡遅い時とかなんでも…愚痴聞くから私にも連絡してよね!」
「うん、ありがとう奈美ちゃん。」
奈美ちゃんに
もちろんまだまだ不安はたくさんあるけれど、爽ちゃんがいない1週間…1人で乗り切れるように頑張らなくちゃいけない。
そんな
私は淋しくて不安な気持ちを胸の奥深くに仕舞い込んで "爽ちゃんのいない1週間も頑張るぞ。" と意気込むことにした。
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