不思議と、風はやんでいた。
眼下にこれまで登ってきた漆黒の山脈と、その先に視界の果てまで続く、 純白の大地が広がっていた。

白い図面に筆を置いた直後のような光景。
ここから世界創造が始まるのではないか、と勘違いさせるような、原始的な風景。

推定標高10,363m。
地球上の最も高い位置に、今、君たちはいる。


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

美しいわね……。


コージー・オスコー

あぁ……。


イライジャ・ミラー

やったぜ、ケヴィン。


藤島 花音

皆さん、写真を撮りましょう! ほらほら、もっと近づいてください!


シキ KP

写真術振らなくていいよw 自動成功とします。


ハル

わーい! じゃあカノンは山頂の写真をいっぱい撮ります!


コージー・オスコー

そういえばお前、確かめたいことってなんだったんだよ?


白峰 辿

面白い話じゃないぞ。


コージー・オスコー

いい、知りたいだけだ。


白峰 辿

蛍は、俺の目標だったんだ。アイツがいたから俺は山と出会って、今日まで登って来た。遠くに見えるアイツの背中を追って、こんなところまで来たんだよ。


ナツ

辿が空を仰ぎます。


白峰 辿

だが、進む先を照らしていた光がなくなってしまった。ここから先は真っ暗闇だ。それでも、俺はこの道を進み続けるのか、それとも諦めてしまうのか、確かめたかったんだ。


コージー・オスコー

……それで、お前はどっちを選ぶんだ。


白峰 辿

さぁ、どうだろうな。


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

先は照らせないけど、辿ちゃんの足元を照らす光なら、ここに4つもあるわよ?


イライジャ・ミラー

俺を目標にしてもいいんだぜ? レジェンドのイライジャ様をな!


フユ

3人を纏めて抱きしめますw


藤島 花音

あっ、ずるーい! 私も仲間に入れてくださいよぉ!


ハル

カノンも抱きつきます!


イライジャ・ミラー

俺たち、最高のチームだったよな!


アキ

抱き返しまーす!


コージー・オスコー

おい、やめろお前ら!


藤島 花音

コージーさんが照れてるー!


コージー・オスコー

照れてない!


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

私たちじゃ、あなたが前に進む理由にはなれないかしら?


白峰 辿

いや……。いや、十分だ。


ナツ

辿も同じように抱きしめ返します。


白峰 辿

ありがとう。



キミたちが喜びを噛み締めていると、梓から渡されたトランシーバーが音を立てる。


穂高 梓

5人とも、そちらの様子はどう?


藤島 花音

こっちは全員無事ですよ! それに、聞いてください! 私たち、山頂にいるんです!


穂高 梓

そう……。良かった、成功したのね。5人とも登頂おめでとう。


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

ありがとう、梓ちゃん。


イライジャ・ミラー

K2の様子はどうだ?


穂高 梓

今は落ち着いているけど、危険な状態であることに変わりはない。……ちょっと待って、今代わるわ。


ケヴィン・キングストン

みんな、おめでとう……。キミたちは、最高の登山家だ。



声に力はないが、K2が祝福してくれる。


イライジャ・ミラー

当たり前だ! そんじゃ、俺たちは今から下山を始めるぜ。合流したら、土産話をしてやるからな!


ケヴィン・キングストン

ああ……楽しみにしてるよ……。


穂高 梓

私たちは7,000m地点のキャンプにいるから、そこで落ち合いましょう。気をつけて。


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

えぇ。


藤島 花音

名残惜しいですけど……そろそろ行きましょうか。


コージー・オスコー

そうだな。K2をさっさと病院に連れて行かないと。



下山を開始しようかという時になって、グラリ、と足元が揺れた。
ギシギシと音を立てて、山が鳴動する。

気づけば、ガスも上がってきている。
何か変だ。早く下山した方がいいかもしれない。


イライジャ・ミラー

なんだ!?


コージー・オスコー

じ、地震!?


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

行きましょう、早く降りたほうがよさそうよ。



来た道を引き返す。引き返していたはず......だった。

1本道だったはずだし、ルートの目印も張ってきたはずだった。
しかし、どういうことだろうか。通ってきたはずの道が、断崖絶壁と切れ落ちている。

目印のロープも、その奈落へと続くかのような崖の底へ落ちていた。明らかに来た時と山頂の様相が変わっている。
山の形が変わったとでもいうのだろうか。

みるみるうちにガスもたちこめ、風が強まり、あっというまに吹雪の様相を呈してきた。近くから、雷鳴も聞こえ始める。


藤島 花音

な、なんですかこれっ!? なんで道がないんですかぁっ!?


コージー・オスコー

知るかよっ!


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

2人とも落ち着いて!


白峰 辿

おい、どうするんだ?


イライジャ・ミラー

一旦安全な場所を探すしかねぇな。


シキ KP

全員聞き耳振ってください。


ダイスロール

サルヴァトーレ
聞き耳
(1D100<=55)
60
失敗


ダイスロール

白峰 辿
聞き耳
(1D100<=75)
89
失敗


ダイスロール

藤島 花音
聞き耳
(1D100<=47)
21
成功


ダイスロール

イライジャ・ミラー
聞き耳
(1D100<=65)
28
成功


ダイスロール

コージー・オスコー
聞き耳
(1D100<=50)
69
失敗


シキ KP

花音ちゃんとイーライさんには音が聞こえます。


???

オオオォォオォン……。



何か、低いうめき声のような音が聞こえる。
風の音だろうか? いや、そうは思えない。

何か生き物......それも、かなり巨大な生き物の声だ。
この山の山頂には、何かがいるのか?

──吹雪が強まっていく。


シキ KP

ここから先は、リアルタイムで10分ごとに体力抵抗判定をします。


フユ

マジか……。


シキ KP

失敗すると1d3のダメージだから、ゆっくりしてるとどんどんHP減るよー。ちなみに、キミたちは現在、断崖部にいます。調べられるのは、断崖部、稜線中腹、山頂部です。
それじゃ、タイマー起動! みんながんばえー!


フユ

断崖部で目星振る。


ナツ

辿も!


ダイスロール

サルヴァトーレ
目星
(1D100<=60)
19
成功


ダイスロール

白峰 辿
目星
(1D100<=75)
39
成功



登ってきたはずの場所......大黒壁までたどり着けない。
切れ落ちた断崖絶壁は、懸垂下降で降りることも不可能では無さそうだが、何度か途中で支点を取り直さないといけないのと、天候の荒れも関係して 非常に難易度が高い。

2人は崖の下に、うぞうぞと蠢く不気味な粘液状の生物が、ゾロゾロと山肌の空洞から這い出してきている姿を目撃してしまう。
本能が叫ぶ。彼らに近づくのは危険だと。


シキ KP

トトさんと辿くんはSANチェックです!


ナツ

テケリ・リ……。


フユ

おいやめろ。


ダイスロール

サルヴァトーレ
SANチェック
(1D100<=58)
26
成功


ダイスロール

白峰 辿
SANチェック
(1D100<=68)
73
失敗


シキ KP

トトさんが減少1、辿くんが1d4だね。


ダイスロール

白峰 辿
(1D4)
4



サルヴァトーレ
SAN58→57

白峰 辿
SAN68→64


白峰 辿

未知の、生き物……。


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

ここにいると危険だわ! 上に移動するわよ!


藤島 花音

わ、分かりました!


コージー・オスコー

おい、行くぞ辿!


白峰 辿

……あぁ。


シキ KP

5人は稜線中腹に移動します。


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

念のため、山頂から行ける場所がないか見に行って来るわ!


藤島 花音

トトさん1人じゃ危ないです! 私も行きます!


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

分かったわ。イーライ、辿ちゃんとコージーちゃんをお願いね。


イライジャ・ミラー

おう、お前らも危険なことはすんなよ!


シキ KP

では、DEX順で稜線中腹から処理します。


アキ

目星振ります!


ダイスロール

白峰 辿
目星
(1D100<=75)
50
成功


ダイスロール

イライジャ・ミラー
目星
(1D100<=55)
82
失敗


ダイスロール

コージー・オスコー
目星
(1D100<=40)
72
失敗



辿は崖の側面に、洞がいくつかあるのを発見する。
その中に、人が入ることができそうな、ひときわ大きな洞があった。

懸垂下降で避難することが出来そうだ。


白峰 辿

あそこ、洞がある。


イライジャ・ミラー

何!?


コージー・オスコー

どこだよ!?


白峰 辿

あそこだ。


ナツ

指を指します!


コージー・オスコー

くそ、トトたちは行っちまったし……。


イライジャ・ミラー

今は待とう。何、すぐに戻って来るさ!


シキ KP

では、トトさんカノンちゃんペア。



山頂はガスのせいで視界が悪く、一見、何も分からない。


フユ

目星だな。


ダイスロール

サルヴァトーレ
目星
(1D100<=60)
87
失敗


ダイスロール

藤島 カノン
目星
(1D100<=70)
56
成功


シキ KP

成功したカノンちゃんは幸運を振ってください。


ダイスロール

藤島 花音
幸運
(1D100<=50)
67
失敗


シキ KP

残念、何も見つけられなかった。


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

花音ちゃん、戻るわよ!


藤島 花音

は、はい!


シキ KP

2人が稜線中腹に戻って来ます。


白峰 辿

どうだった?


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

だめ、何も見えなかったわ。


イライジャ・ミラー

辿が洞を見つけたんだ。一旦、その中に避難しよう。


コージー・オスコー

このままここにいたら凍死しちまう!


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

そうね……。行きましょう。


シキ KP

洞には判定なしで降りられるし、10分タイマーも一旦ストップします。



キミたちは、懸垂下降で洞に降りた。

洞の中は湿っていて、少しあたたかい。
壁には管状の脈が這っており、触ると粘ついた液体が手につく。


コージー・オスコー

うえ、なんだこれ。


白峰 辿

あんまり触るな、溶けるかもしれない。


シキ KP

全員聞き耳振ってください。


ダイスロール

サルヴァトーレ
聞き耳
(1D100<=55)
95
失敗


ダイスロール

白峰 辿
聞き耳
(1D100<=75)
72
成功


ダイスロール

藤島 花音
聞き耳
(1D100<=47)
60
失敗


ダイスロール

イライジャ・ミラー
聞き耳
(1D100<=65)
81
失敗


ダイスロール

コージー・オスコー
聞き耳
(1D100<=50)
4
決定的成功



辿とコージーには聞こえてしまう。
地響きのような、しかし規則的な鳴動が。

まるで拍動のようだ、と感じる。
意識して壁の脈に触れると、地響き音と連動し、その脈が拍動していることに気づく。


シキ KP

2人はアイデアロールです。


ナツ

まずい……。


ダイスロール

白峰 辿
アイデア
(1D100<=70)
43
成功


ダイスロール

コージー・オスコー
アイデア
(1D100<=50)
45
成功



2人は気づいてしまう。

山頂に何か巨大な生物が居るのではない。この山自体が生き物だったのだ。

山の形が変わったのは山が目覚めたからだ。
地殻変動は、たんにこの山がW目覚めの身じろぎWをうったかのようなものだったのだ。
吹雪は、彼の欠伸のようなものなのだろう。
恐らく、この山は今まで眠りについていた。

そして、つい先程目を覚ました。
君たちが登頂したことによって。
幾度と無く山に登ってきた君たちは知っていたはずだった。
大いなる山の前に、人間はあまりにもちっぽけな存在であることを。

しかし、今以上に山への畏怖を魂で感じることはなかった。
狂気の中で、ようやく君たちは真の意味で自覚した。
己があまりに矮小な存在であることを。


シキ KP

それでは、SANチェックです!


ナツ

ここで発狂はしたくない!


フユ

2人とも耐えろ!


ダイスロール

白峰 辿
SAN
(1D100<=64)
93
失敗


ダイスロール

コージー・オスコー
SAN
(1D100<=27)
54
失敗


シキ KP

2人とも1d20のSANチェックです。


ハル

うわー!


フユ

これはマジでヤバい……。


ナツ

走り出したら捕まえてね……。


ダイスロール

白峰 辿
SAN
(1D20)
7


ダイスロール

コージー・オスコー
(1D20)
5


シキ KP

アイデアロールしましょう!


ダイスロール

白峰 辿
アイデア
(1D100<=70)
38
成功


ダイスロール

コージー・オスコー
アイデア
(1D100<=50)
88
失敗


アキ

コージーえらい!


シキ KP

辿くんは一時的狂気表振ろっか! 1d10ね!


ナツ

死に直結しないヤツがいいなぁ……。


ダイスロール

白峰 辿
(1D10)
7
幻覚、妄想


シキ KP

あー……。じゃあ、死んだはずの蛍くんが見えます。



白峰 辿
SAN64→57

コージー・オスコー
SAN27→22


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

2人とも、大丈夫? 顔が真っ青よ?


コージー・オスコー

問題ない……。ちょっと気分が悪くなっただけだ。


白峰 辿

蛍。


藤島 花音

え?


白峰 辿

蛍が、いるんだ。俺を見てる。一緒に、山を登ろうって。


イライジャ・ミラー

何言ってんだ? ここには俺たちしかいねぇぞ。


白峰 辿

すまん、蛍……。一緒には行けないんだ。お前と同じ場所には、まだ行けないんだよ。


コージー・オスコー

お、おい。辿?


白峰 辿

お前をこの山に置いていくことを、許してくれ……。すまない、蛍……。


フユ

精神分析振るぜ。


ナツ

たすけちくりー。


ダイスロール

サルヴァトーレ
精神分析
(1D100<=35)
32
成功

1d3
1



白峰 辿
SAN57→58


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

辿ちゃん、私を見て。いい? あなたのお友達は、もういないのよ。


白峰 辿

ああ……ああ、そうだな……。


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

それに、あんな手記を書く人が、あなたにこの山で一緒に死んでほしいなんて、言うはずないわ。


フユ

返すの忘れてたから、ここで手記返す。


ナツ

受け取ります。


藤島 花音

大丈夫です。お友達さんだって、分かってくれますよ。


白峰 辿

……。


イライジャ・ミラー

急いだ方が良さそうだな……。とりあえず、下に降りる方法を探そうぜ。梓やK2のいるキャンプも、ヤバいことになってる可能性がある。


コージー・オスコー

ちょっと待て、この先に進むつもりか?


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

ええ、そうよ。上に戻るわけにも行かないでしょう?


コージー・オスコー

それは、そうだけど……。


藤島 花音

何か心配事ですか?


コージー・オスコー

……。


サルヴァトーレ・チェルヴィーノ

辿ちゃんの様子もおかしいし……。高山病なら早く降ろさないと。


コージー・オスコー

……分かった。


シキ KP

コージーは辿くんの近くを歩きます。


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